5月31日、中国取引市場最大のビットコイン取引市場で34%以上のマーケットシェアを誇るOKCoinが、公式に資産引き出しを再開したと伝えている。

続いて、それぞれマーケットシェア第二位、第三位のHuobiとBTCCも引き出しを再開したようだ。

また、大手三社が資産引き出しを再開してまもなくビットコイン価格は上昇し、2,400ドル台にまでその価格を回復している。週ベースで考えると、前回の2,500ドルから1,900ドルへ600ドも下落した状態から見事に価格を回復し、3%上昇した形だ。

BNC Bitcoin Liquid Index

資産引き出しの再開は中国人民銀行の指示によるものではない

興味深いのは、今回の資産引き出し再開の指示を下し、承認を行ったのは中国人民銀行ではないという点だ。

cnLedger等の地元メディアによれば、Huobi、BTCC、OKCoinの三社は、AMLとKYCに関連した合意に至り、全ての利用者に対して資産引き出しを再開し始めたという。

中国人民銀行による資産引き出しの停止とオンサイト検査が行われるまでは、世界のビットコイン取引市場において、中国ビットコイン取引市場は実質的にその大半のシェアを占めていた。その点においては、米国を凌駕する最大のビットコイン取引市場が中国に存在していたと言える。

中国三大取引所において再び資産引き出しが可能になったことで、短期間で比較的早く中国市場は安定を取り戻しており、中国人トレーダーやビットコイン利用者の需要が急速に増加している。

偶然にも、日本のビットコイン取引市場における取引ボリュームやマーケットシェアも突如急落し始めており、中国人トレーダーが日本の取引所やOTC市場を通してビットコインを購入したために起きた現象と分析するアナリストもいる。

ビットコイン価格はここ三年間で記録的な価格の記録を更新し続けており、現在は約2,400ドルで取引されている。本記事を執筆している現時点での価格は、約2,425ドルだ

新たな規制の枠組みとAML/KYCの必要性

6月、中国人民銀行は、ビットコイン取引所や投資家たちに向けて、新たな規制の枠組みとAML/KYC/を導入する予定だ。

一方で、仮想通貨研究所の八尾銭氏を含む中国人民銀行関係者は、ビットコインやイーサリアム、ICOトークンのような他の暗号通貨について詳しく研究し始めている。

八尾氏はまた、中国人民銀行と中国政府は近い将来ICOの規制を開始するだろうと指摘している。

中国が将来的にICOなどに規制の枠組みを設けることで、特定の投資が課税対象になるのか、政府によってプロジェクトが承認されるようになるのかは定かではない。同氏はまた、ビットコインは中国政府が定めた基準に基づく通貨ではない点を指摘し、ビットコインがデジタル・コモディティとしてみなされる可能性が高い点を指摘する。

「ビットコインは通貨としての基準を満たしていません。すぐにICOの規制の取り組みが始まるでしょう。」との同氏の発言をcnLedgerが伝えている