ビットコイン(BTC)は史上最高値の42000ドルから反落して以来、調整が続いている。しかし30000ドルに下げるも反発し、足元では32000ドル付近を推移している。

今後ビットコイン価格が再び上昇するのか、調整が続くのかはまだわからない。

2020年は、ビットコイン価格が数ヶ月もの間固まっていた期間が何度もあった。こうした時期は上昇する強さを保つために必要な期間とされている。しかし一番の疑問は、今回のレンジ内の値動きも同様な現象をもたらすのかどうかだ。

42000ドルから明確な下落トレンド

BTC/USDT 3-hour chart. Source: TradingView

3時間足チャートでは、42000ドルをピークに高値を更新してから下降トレンドに入っている。この構造は、高値の切り下げ(ロウワーハイ)と安値の切り下げ(ロウワーロウ)で形成されている。上記のチャートでは、高値の切り下げは灰色のボックスで示されており、重要な意味を持つ。

強気に反転するためには、ビットコイン価格は、34,000ドルから34,500ドルの重要なレジスタンスゾーンを突破しなければならない。このレベルがサポートとして反転しない場合、市場はこのレベルをレジスタンスとみなし、さらに価格が下降する可能性が高くなる。

ビットコイン価格は、かなりの時間の間、30,000ドルのサポートエリアを試している。レベルがテストされる頻度が高いほど、破られる可能性が高くなる。さらに、30,000ドル付近からの反発が弱くなっていることが、高値を下げる結果につながっている。

したがって、34,000ドルがサポートに反転できずに、30,000ドルを再テストする展開になれば、弱気の兆候を示し、価格は24,000ドルから26,000ドルまで下落する可能性がある。

21週MAは20000ドルで推移

BTC/USD 1-week chart. Source: TradingView

ビットコインの週足チャートは、21週移動平均線(MA、オレンジ色のライン)が2017年の強気サイクルのサポートゾーン(緑色の水平線)と合流している。

このチャートのもう一つの重要なシグナルは、21週移動平均線とビットコイン価格とのギャップだ。このギャップが大きくなると、ビットコイン価格は大きく上昇する。これは、短期的に過大評価されるようになっている兆候だ。

資産価格(この場合はビットコイン)が平均値に頻繁に戻り、21週間MAのサポートを試すことがある。現在、21週間MAは20,000ドルにある。2万ドルは2017年に記録した最高値であり、調整局面の究極の底値と言える。市場はこの底値を下回ることは望んでいないだろう。

しかし、2017年の史上最高値に向かって価格が下落することは保証されていない。市場のほとんどがその価格で買いを熱望しているためだ。24,000ドルから26,000ドルへの調整はまだ健全であり、どのような強気相場の調整でも起こりうることだ。

時価総額は以前よりも高値で調整

Total cryptocurrency market capitalization, 1-week chart. Source: TradingView

仮想通貨市場の時価総額は、2017年の史上最高値を上回る水準で推移している。

ビットコインは、前回の史上最高値をテストすることはないだろうが、時価総額は前回の高値である7500億ドルをテストする可能性がある。

ただ、こうしたサポートゾーンのテストは自然なことであり、市場がここ数ヶ月でほぼ垂直に上昇したことからも、調整が予想されるだろう。こうした調整は市場が健全に上昇していくためには必要なものだ。

ビットコインの今後のシナリオ

BTC/USDT 4-hour chart. Source: TradingView

現在の下降トレンドを考えると、さらに下降する可能性が高い。

さらに、2月は仮想通貨市場の調整期間であることが多く、夏に強気相場が再開することがある。

ビットコイン価格が34,000ドルエリアを突破することができれば、次のレジスタンスゾーンである37,500ドルは、前回のロウワーハイとなる。ビットコイン価格が再び下値をつけると、21週間MAまでさらに下降する可能性が高くなる。

このような調整はアルトコインにとって痛手となるだろうが、仮想通貨市場に今から参戦する人にとって大きなチャンスを提供することになるだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン