著名なオンチェーンアナリストのコール・ガーナー氏によると、仮想通貨(暗号資産)取引所には2800BTCの売り板があると指摘した。ビットコイン(BTC)の価格が現在10,600ドル付近で取引されているため、これはたった1つの取引所で3000万ドル相当の売り注文が出たことに相当する。

これは必ずしも市場全体の下落が差し迫っていることを示すものではないが、大規模な上昇の可能性は依然として低いことを示唆している。短期的には、ビットコインは10500ドルから11000ドルの間の低ボラティリティのレンジに直面している。これはサポートとレジスタンスの2つの重要なラインとなっている。

 

BTC/USD chart showing a 2,800 sell wall at Binance

(出典:Cole Garner

BTCの最大の痛みのシナリオが再生されている

過去2年間で、ビットコインは第4四半期にマイナスのリターンを記録した。これは循環的な動きのせいだとする人もいれば、純粋に偶然だとする人もいる。

ビットコインが第4四半期に入ると、その勢いを減速させる可能性のあるいくつかのマクロリスクがある。これらの要因には、米大統領選挙、新型コロナウイルスのパンデミックに起因する景気低迷、米国株の低迷が含まれている。

ビットコインに圧力をかける可能性のあるネガティブなファンダメンタル要因の他に、テクニカル的にはブレイクアウトの可能性は低いままであることを示唆している。

例えば、バイナンスの大規模な売り板は、ボラティリティの急上昇が期待できないテクニカルな理由の一つであり、ビットコイン価格が11000ドルのレジスタンスレベルを突き抜けられない理由の一つだろう。

いくつかのポジティブな点としては、ビットコインは先週10500ドルのサポートレベルを精力的に守っており、テクニカル構造とセンチメントは弱気ではないことだ。むしろ、中立的であり、蓄積局面を指し示している。

最近のビットコイン価格のトレンドとバイナンスの大きな売り板に基づいて、ガーナー氏は再蓄積が起こる可能性があることを強調している。

「バイナンスで、11000ドルの2800BTC売り板が取引されている。止められない力が動かせないの物体と出会う。再蓄積へようこそ」

テクニカル要因により、ビットコインが1万500ドルから1万1000ドルの間で取引される可能性はあるが、業界幹部はビットコインのファンダメンタルズは圧倒的にポジティブであることに変わりはないと述べている。

仮想通貨データ分析企業のグラスノードのCTOであるラファエル・シュルツクラフト氏は、ビットコインには「巨大な成長の余地がある」と述べている
 

Bitcoin Market Cap to Thermocap Ratio

(出典:グラスノード「ビットコインの時価総額とサーモキャップの比率」

シュルツクラフト氏は、時価総額とサーモキャップ(ブロックチェーン上にブロックを作成するマイナーの収入)の比率を引用し、ビットコインが天井をマークするにはまだほど遠いことを示している。

「時価総額対サーモキャップ比率は、ビットコインがここから大きく成長する余地があることを示唆している。強気相場に典型的な急激な上昇は始まってさえいない。現在のレベルは、過去のビットコインの天井とは桁違いだ。」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン