ビットコイン価格が日本時間で28日深夜、心理的に重要なポイントである10000ドルを超えた。29日午前の時点でも反落することなく勢いを保っている。先週8000ドル前半で値固めした後、感謝祭の週末にかけて上昇の勢いを増していた。

 先週のブラック・フライデーに8000ドル後半をつけ高値更新した後、土曜日には9000ドルを超え10000ドルに迫っていた。また、価格上昇には大きな取引量を伴っており、過去24時間で約5500億円の取引があった。

ビッグマネーが動き出した

 今年に入って目立ったのが機関投資家による仮想通貨市場参入の動きだ。仮想通貨に特化したヘッジファンドや値動きと連動するファンド等が増え、機関投資家による参入が容易になってきた。これまでビットコインに興味を示さなかった大手金融機関も、乗り遅れることを恐れた顧客からの問い合わせに向き合わざるを得ない状況だ。仮想通貨に特化したヘッジファンドは今では120も存在する。
今年一番の特大ニュースは、やはり米CMEグループとCBOEによるビットコイン先物取引の上場計画だ。もし予定通りビットコイン先物取引が現実のものとなれば、ビットコインが規制された市場で取引されることになり、機関投資家もさらに参入しやすくなる。また、巨大なデリバティブ市場の資金が流入することも考えられる。超特大の強気材料だ。

ネットワーク効果で劇的に伸びるか

 ビットコインのネットワークで処理される取引の量も急激に増えており、毎日の取引量は現在約2200億円以上だ。
  

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 これに伴い、ビットコイン採掘によって得られる利益も伸びている。現在マイナーは1日で150万ドルの取引手数料を稼ぐ。これに加えブロック採掘をした際のボーナスも受け取っている。

世界的な普及

 そして今、発展途上国から先進国まで世界中の国々でビットコインが浸透し始めている。各国のビットコイン取引量は軒並みうなぎのぼりだ。

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 また、ビットコインATMの数も急激に増加中だ。毎日世界のどこかで5つのビットコインATMが設置されている。

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 夢(バブル)か、現実か。力強い取引量が伴っているところを見ると、これはほんの始まりにすぎないのかもしれない。