ビットコイン(BTC)はなお下落のリスクを抱えており、反発局面への道筋を維持するには10万2000ドル以上を維持できるかどうかが鍵になる。
仮想通貨取引所ビットフィネックスのアナリストは6月17日の市場レポートで、「ビットコインが10万2000〜10万3000ドルのレンジを持続的に維持できれば、市場が売り圧力をうまく吸収していることを示唆する」と述べた。
高リスク・高リターンの局面に
ビットフィネックスのアナリストは、イスラエルとイラン間の軍事的緊張やマクロ経済の不確実性が続くなか、「ビットコインには依然として下振れリスクが残る」としながらも、「投資家の信頼が回復すれば、上昇継続の高リスク・高リターンの好機を提供する環境だ」と述べた。
トレーダーのマシュー・ハイランド氏も「ビットコインは乱高下しながらも依然として上昇トレンドにある」とXで指摘している。
先週には、ビットコインが過去最高値11万1940ドルを再び試すとの期待が強まっていたが、木曜夜にイスラエルがイランに対して大規模な空爆を実施したことで、その期待は打ち砕かれた。
コインマーケットキャップによると、空爆の報道から90分以内に、ビットコインは10万6042ドルから10万3053ドルまで2.8%下落し、その後10万4790ドル付近まで反発した。
マクロ経済の不透明感がある一方で、現物ビットコイン上場投資信託(ETF)への資金流入は力強さを保っており、6月16日には6営業日連続での純流入を記録。ファーサイドによれば、同日には4億1220万ドルの資金が流入した。
「急落の可能性は低い」との声も
またビットフィネックスのアナリストは、「仮にビットコインが下落局面に入ったとしても、過去のような急落にはならない」としている。例えば2024年8月には、ビットコインはわずか10日で20%下落して5万3991ドルまで落ち込んだ。
市場分析サイトのコイングラスによれば、7月1日から始まる第3四半期は、ビットコインにとって平均リターンが最も弱い時期となっている。
とはいえ、ビットフィネックスのアナリストは「現在の市場は、過去の『投げ売り主導型の急落』のパターンに似ており、この場合積、極的な売りの後に反転することが多い」と述べている。
一方で、現在のビットコイン価格が天井を打った可能性があるとの見方も出ている。
仮想通貨トレーダーのダーン・クリプト・トレード氏は、6月17日のX投稿で「ビットコインは現行の最高値圏を突破できず、足踏みしている」と指摘。長期トレンドについては「非常にクリーンだ」としつつ、「今後の動向を占う上では、強気相場のサポートバンドを維持できるかどうかが重要」と述べた。
EYのストラテジストでトレーダーのダニー・マルケス氏は、「現在の相場には構造的、モメンタム的、心理的にまだ拡大の余地がある」と述べ、楽観的な見方を示した。「ビットコインはまだ『陶酔ゾーン』にすら到達していない」とマルケス氏は語っている。
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