ビットコイン(BTC)ネットワーク上に、クラシックな家庭用ゲーム機であるニンテンドー64(N64)のエミュレータを刻印しようという試みが登場した。

ビットコインオーディナルズのポートフォリオトラッカー「ニンジャラーツ(Ninjalerts )」のCEO、トレバー・オーウェンズ氏は、同社の「ピザニンジャ」プロジェクトにおける新たな進展を発表した。オーウェンズ氏によれば、開発者たちがオーディナルズプロトコルを使用してビットコイン上にN64エミュレータを刻印した。同氏はコインテレグラフに対し、これは「絶滅危惧種のゲーム」を保存するための努力の一環だと語った。

著作権の存在により、ブロックチェーン上にゲームを置くことに疑問を抱く人もいるが、オーウェンズ氏はこのプロジェクトが合法的に行われていることをコミュニティに保証した。ニンジャラーツのCEOは、著作権のあるゲームをチェーン上に置くことはないと説明し、代わりにパブリックドメインにあるゲームを選んでそれらを刻印するとした。オーウェンズ氏はさらに、「クラシックなゲームの保存に関して保存家との対話を進め、コミュニティが絶滅危惧種のゲームを合法的にオンチェーンに置く方法を見つける努力を引き受けてほしい」と期待を寄せた。

これはニンジャラーツがビットコインネットワークを通じてゲームを保存する初めての試みではない。1月8日には、同チームがスーパーニンテンドーエンターテインメントシステム(スーパーファミコン)のエミュレータをビットコイン上に刻印した。ゲームの保存だけでなく、このプロジェクトはビットコインオーディナルズプロジェクトの技術的なハードルを上げる試みでもあった。

数週間後、別の人物がオーディナルズプロトコルを使用してオンチェーンにビデオゲームを刻印することに挑戦した。ニンジャラーツに続き、匿名の開発者「ミニドージ」は1月23日にドージコインブロックチェーン上に1990年代スタイルのFPSゲーム「Doom」を刻印し、ユーザーはドージコインネットワークにアクセスすることで無料版のクラシックゲームをプレイできるようになった。

オーウェンズ氏は、オンチェーンでのゲーム刻印のトレンドが続くと信じている。「それは本当にクールだし、このトレンドは続くと思う。人々は文化的歴史を保存したいと願っており、ゲームはその大きな部分だ」と彼は語った。しかし、同氏はコミュニティメンバーに対し、著作権法を破らないように求めている。オーウェンズ氏は、合法的な方法でゲームをオンチェーンに保存することを支持していると主張する。

オーウェンズ氏は、ブロックチェーンがパーミッションレスであるため、人々は好きなデータをオンチェーンに置くことができると指摘した。一度ブロックチェーン上にデータがアップロードされると、特にビットコイン上では、知的財産権者がそれを取り下げることは事実上不可能になる可能性があると彼は指摘する。「知的財産権者がどのように反応するかを見るのが興味深いだろう。一度ブロックチェーン上にアップロードされたデータを取り下げることは、特にビットコイン上ではほぼ不可能だ」とオーウェンズ氏は述べた。

2010年以前にリリースされたクラシックゲームの約90%が絶滅の危機に瀕しているという研究を引用し、オーウェンズ氏はゲームの歴史を保存する重要性を強調した。ニンジャラーツのCEOは、ゲームを映画や音楽と比較し、保存に値する重要な文化の一部だと語る。「歴史や文化を保存することに関心があるなら、データを不滅化する最適な場所はビットコイン以外にない」とオーウェンズ氏は付け加えた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン