シカゴマーカンタイル取引所(CME)やデリビットが手がけるビットコインのオプション市場のデータによると、ビットコインが2020年末までに2万ドルをつける確率は9%だ。5月12日の半減期から年末までの半年ほどの間の値動きについて、オプショントレーダーは慎重な様子がうかがえる。
短期で見ると、デリビットとCMEのトレーダーはビットコイン価格に強気のようだ。ecoinometricsによると、CMEのオプション取引で1プットオプション毎に22のコールオプションが記録されている。
オプション取引は、ある特定の商品をあらかじめ定められた期日までにあらかじめ定められた価格で買うまたは売る権利。買う権利を「コールオプション」、売る権利を「プットオプション」という。
(出典:ecoinometrics「ビットコイン コールオプションとプットオプション(CME)」)
最近はビットコイン1万ドル突破が何ども試みられているのも、短期での強気心理の表れかもしれない。レジスタンスであろうとサポートであろうと連続して突破が試みられることで突破の確率は上がるものだ。
一方、オプショントレーダーは、中長期でのビットコイン価格にベットすることは避けたいようだ。前回の2016年の半減期の時、ビットコインの価格が安定した上昇相場になるまで6~8ヶ月かかった。このため、今回の半減期を受けてもビットコイン価格が少なくとも年末までに2万ドルを回復しない可能性があると考えられる。
ただ、ポジティブなサインも見られる。
ビットコインはもし次の7日間で9500ドルを突破したら、史上7回目のゴールデンクロスを形成するかもしれない。また、テクニカル的に売られすぎの状態も過ぎ去ったようだ。
新型コロナウイルスによる経済危機を受けたビットコインのボラティリティ(変動幅)の高さも加わり、オプショントレーダーは長期的には静観しているようだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン