ビットコイン(BTC)マイニングにおける炭化水素燃料の使用は過去13年で急減しており、特に石炭エネルギーの使用は大幅に減少している。
これに並行して、再生可能エネルギーの利用は年平均5.8%のペースで着実に増加しており、ビットコインマイニングがよりクリーンで持続可能なエネルギー源へと移行していることを示している。報告書では、今後さらに脱炭素化が進み、ビットコインの環境負荷が軽減される見通しであるとしている。
ビットコインのエネルギー消費の割合 Source: MiCA Crypto Alliance
世界的な石炭エネルギー消費は2024年に過去最高を記録
パリを拠点とする政府間エネルギー政策機関・国際エネルギー機関(IEA)によると、2024年の世界の石炭消費量は過去最高の88億トンに達したと推定されている。
2000年から2026年までの世界の石炭消費量 Source: IEA
IEAの見通しでは、インド、インドネシア、ベトナムといった新興国での石炭使用が今後数年間で増加すると予測されており、2027年まで世界の石炭需要は過去最高水準に近い状態が続くとされている。
2030年に向けたビットコインのエネルギー利用に関する5つのシナリオ
報告書では、ビットコインのカーボンフットプリントに関する将来予測として、BTC価格が1万ドルまで下落する弱気シナリオから、100万ドルに達する超強気シナリオまで、5つの価格水準を想定して分析が行われている。
具体的には、1万ドル(弱気)、11万ドル(基準値)、25万ドル(中間)、50万ドル(強気)、100万ドル(超強気)の各シナリオが想定されており、それぞれの価格に応じたエネルギー使用構成と政策シナリオが示されている。
ビットコイン価格とエネルギー消費のシナリオ Source: MiCA Crypto Alliance
中間価格シナリオでは、政策の方向性によって差があるものの、再生可能エネルギーがビットコインの総電力使用量の59.3%から74.3%を占めると見積もられている(ただし原子力は除外)。
また報告書では、ビットコインの電力消費量は2030年頃にピークを迎えるとの予測も盛り込まれており、これはデジタル資産プラットフォームNYDIGが2021年9月に発表した調査結果とも一致する内容となっている。
NYDIGの推計によれば、仮に強気シナリオが実現した場合でも、ビットコインの電力消費は2020年比で最大11倍に達し、世界の一次エネルギー消費量の0.4%、世界の発電量の2%を占める規模にとどまるとしている。