クラウドマイニングサービスのコインミント社が、7億ドル(約771億円)を投じ、ニューヨーク州北部にある閉鎖工場をビットコインのマイニングファームの改修工事に着手した。CNBCが5日に伝えた

 コインミントは、「最高7億ドル」を投じて19年末までにアルコア社の元アルミニウム溶解工場を改装する計画で、今年1月に認可が下りていた。敷地面積は1300エーカー(約526万平方メートル)におよぶ。

 リリースによると、新たに立ち上げられた子会社ノース・カウンティ・データセンター・コーポレーションの下で計画は進められ、このほど工事が始まった。

 CNBCは、コインミントのプリアー・リアリーCEOの言葉を引用し「ビットコインのネットワークが存在し続ける限り、マイニングは利益を上げてくれると予想している」と伝えた。また、子会社の立ち上げは「同工場を最大限活用するために重要な節目」と続けた。

 この他にも今年は、ビットコインマイニングを目的に、電気代が安い地域で使われなくなったインフラを再利用する動きが活発になっている。しかし、全ての計画が地元政府の理解を得ているわけではない。ケベックの近くに持ち上がった計画は、地域経済への効果をめぐって強い批判にさらされた。

 3月に、ケベック州のフィリップ・クイヤール首相は「サーバーをつなげてビットコイン採掘をするためにここへ来たいというなら、我々はそんなものに関心はない」と発言した。一方で、アルコア工場に最も近い町マシーナの政治家たちは、今回の計画が逆に地元の雇用を促進すると歓迎している。コインミントは、150人の雇用創出を約束している。

 「150人を雇用し、アルコア社の東部工場を再利用するのはエキサイティングだ。これまで町がやろうと取り組んできたことだ」と、マシーナのスティーブ・オシャーネッシー行政官は、リリースの中で述べている。

「この計画の可能性を最大限引き出すために、我々はどんな支援でもする用意がある」