8月に12,000ドルを突破した後、ビットコイン(BTC)に対するセンチメントはポジティブとなっている。この勢いが今後も続き、BTC価格が16,500ドルに達すれば、その時価総額はJPモルガンの時価総額と同じになる。

オンチェーン分析企業のMMCryptoは、ビットコインの価格がいくらに達すれば、その時価総額がほかの企業と同じになるのかを比較している。BTC価格が16,500ドルでJPモルガンと時価総額が並び、23,000ドルになればVISAと同じにある。

BTC market cap share of top companies at various prices. Source: Twitter

出典: Twitter

ビットコイン価格が18,324ドルに達した場合には、マスターカードの時価総額と並ぶことになるほか、20,182ドルに達した場合にはテスラの時価総額に匹敵することになる。

ビットコインの場合、16,500ドルは重要な価格でもある。ここにはCMEギャップがあるためだ。CMEギャップは、CME(シカゴマーカンタイル取引所)のビットコイン先物市場で、週末にマーケットが閉じている時にBTC価格が大きく動き、チャート上にギャップが生じることで発生する。このCMEギャップは経験的に埋められる傾向があると考えられている。

現在、まだ埋められていないCMEギャップは2つあり、9,650ドルと16,500ドルだ。

BTC/USD monthly chart. Source: TradingView.com

出典: TradingView.com BTC/USD 月間チャート

成長の初期段階にあるビットコイン

ビットコインはピアツーピアの通貨であり、一般的に「デジタルゴールド」とみなされている。配当といった特徴があるわけではないため、企業とは直接比較することができないが、このような比較はビットコインが成長段階にあることを示すものだろう。

特性の点でビットコインに最も近い資産は金(ゴールド)だ。最近、ビットコイン支持者で仮想通貨取引所ジェミナイ(Gemini)の共同創業者であるタイラー・ウィンクルボス氏は、BTCは金に似ているが、けた違いに優れていると指摘している。

ウィンクルボス氏によると、ビットコインは携帯性において金よりも優れており、その供給量は2100万BTCに上限が設定されている。金の場合は、新しい供給源が見つかれば、金の供給が拡大し続ける可能性がある。ウィンクルボス氏は次のように述べている

「結局のところ、ビットコインは金よりも優れた金である。そして、段階的にだけではなく、けた違いに、10倍は優れている。プロダクトが最も近い代替品よりも10倍優れている場合、そのプロダクトは競争から逃避するというのは、テクノロジー業界で広く信じられている考えだ。私たちはビットコインがこれを達成したと信じている」

The supply curve of Bitcoin. Source: Winklevoss Capital

出典: Winklevoss Capital ビットコインの供給曲線

膨大な量のトレーディング活動、コンピューティング能力、およびビットコインをサポートするインフラストラクチャにも関わらず、その時価総額は約1980億ドルにとどまっている。

仮想通貨の時価総額はテスラ株よりも小さい

2つの資産に対する個人の需要が高いため、アナリストはビットコインとテスラをしばしば比較対象としている。

トレーディングビュー(TradingView)によれば、テスラとビットコインは、7月を通じて最も多く参照された資産だったという。

「テスラ株は米国で最も頻繁に見られている資産だ。私たちのデータは、7月を通じて、テスラが31州で最も見られた株式だったことを示している。ビットコインも善戦している。今年はじめ以来、テスラの株価はほぼ3倍になった一方、ビットコインは年初から60%上昇している」

テスラは電気自動車のトップメーカーだが、ビットコインはまったく新しい資産クラスのフロントランナーだ。

現在、仮想通貨市場全体の時価総額は、テスラの時価総額よりも小さいが、ビットコインの需要が増加し、分散型金融(DeFi)セクターが成長するにつれて、この関係が変化し始める可能性がある。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン