仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)価格が3日連続で1万ドルを割り込んだ。短期トレンドが弱含んでいるにも関わらず、一部仮想通貨アナリストは中期的には強気のままだと述べている。
(出典:ビットコインの週足チャート)
5日以内にビットコイン価格は11462ドルから10000ドルまで、12.6%下落した。金は勢いが衰え、回復しようと苦しんでいる。
ビットコインの強気見通しは?
オンチェーンアナリストのウィリー・ウー氏によると、オンチェーン上の指標が強気に転じているという。オンチェーン指標には「HODLing」アクティビティやアクティブなアドレス数、ネットワークアクティビティ、NVT(Network Value to Transaction)比率などが含まれる。例えばウィリー・ウー氏が考案したビットコインのNVTシグナルは、流通する仮想通貨の市場価値を毎日の取引量で割ることで、市場のピークを見極めようとする指標だ。比率が高ければネットワークの価値が高く、低ければ低いことを示す。
ビットコインは12000ドルから急落しているため、データは中期的な強気のトレンドを示唆している可能性が高い。ビットコインの価格は年初来の高値から20%近く急落したが、ネットワーク活動は比較的安定している。ウー氏は6日に次のように述べている。
「(次の数週間を見ると)ローカルのオンチェーンは強気になっている。底を打ったとは言えないが打ったかもしれない。買い戻すには悪い時期ではない。」
(出典:Blockchain.com)
多くのトレーダーが注目しているのは9650ドルのシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のギャップだ。このギャップはビットコインが24時間365日動くにも関わらず、CMEが週末に閉鎖されることによって起きる価格の相違だ。7日にはこれを埋めるように9800ドル付近まで下落した。
ウー氏はこのギャップに対して、次のように述べている。
「私はギャップが先回るするのは流動性によってロングを埋めるためなのではないかと考えている。デリバティブ取引所のクジラは、これをするのに十分なドミナンスを持っている。」
直近の懸念材料としてはNVT比率が81.5付近を推移していることが挙げられる。以前の市場サイクルではNVT比率が70以上にとどまった際に一時的に天井を記録した。
(出典:Woobull.com「ビットコインのNVT比率」)
多くのオンチェーン指標は中期的に楽観的なトレンドを示しているが、中には短期的なモメンタムが弱気なものもある。
8800ドルにサポート見るも、大きな修正の可能性は低い
既報の通り、トレーダーはビットコイン価格が3月のような50%の下落が起きるとは考えていない。
スリーアローズキャピタルのスー・シュウCEOはビットコインが5000ドルまで下落する確率は、10万ドルまで急騰する確率よりも低くなったと強調している。彼は次のように書いている。
「私は1万ドルでサポートされたことに驚いており、これはつまり現段階では5000ドルよりも10万ドルの方が可能性が高いことを示している」
一方で、ビットフィネックスでは8800ドルのクジラの買い注文が集まっている。クジラは流動性を確保するために最低のサポートレベルを入札する傾向があるため、8000ドルの水準まで下落する可能性がある。しかし、ビットコインが長い間1万ドルを守ることができたことを考えると、この時期の急落は考えにくいだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン