ビットコインの取引手数料の急激な上昇や未承認取引の増加が、仮想通貨界隈で「DoS(サービス拒否)攻撃」の疑いを招いた。しかし、いくつかの分析家や解説者が、フォロワーへの懸念を和らげるための説明を行っている。
BitInfoChartsによると、ビットコインの平均取引手数料は現在19.20ドル(0.00068BTC)。一方、Mempool Spaceによると、記事執筆時点で未処理の取引が459341件に達していた。このようなネットワークへの需要の増加は、5月7日には一時的にブロックごとの手数料の合計が6.25BTCのブロック報酬を上回る事態となった。
BITCOIN TRANSACTION FEES HAVE SURPASSED THE BLOCK SUBSIDY COINBASE REWARD
— trevor.btc @ NYC (@TO) May 7, 2023
6.76 BTC vs 6.25 BTC
FIRST TIME SINCE 2017 pic.twitter.com/F0PKrlFYmQ
プルーフ・オブ・ワーク方式のマイニングプロセスでは、4年ごとに半減するブロック報酬が6.25BTCに設定されているが、需要が急増した場合、この数字を上回ることがあり、取引手数料が高くなる。
業界アナリストは、2017年以来初めてこのような事態が発生したと報告。手数料が6.76BTCとなったブロックや788695番目のブロックでは6.7BTCの手数料が発生したという。Mempool Spaceのエクスプローラーによれば、現在は活動が落ち着いており、手数料も再びブロック報酬を下回る水準に戻っている。次のブロックでは4.51BTCの手数料が発生する見込みだ。

Glassnodeによると、5月7日にはビットコインのオンチェーン取引の75%がタップルートを使用し、記録的な高さに達した。これが、取引の活発化やブロック空間需要の上昇につながっているとされる。

しかし、仮想通貨界隈では、最近の混雑がビットコインネットワークへのDoS攻撃の結果ではないかとの憶測もある。
ビットコインの分析家たちは、これが攻撃ではなく需要によるものであることをすぐに指摘。130,000人のフォロワーを持つ「0xfoobar」氏は次のように語っている。
「ビットコインのメモリプールがついに利用されるようになり、多くの者たちはそれをネットワークへのDoS攻撃として捉えている。彼らは、『ビットコインが人気になり、人々がそれを使うために支払いをする』といった基本的なシナリオさえ考慮していない」
5月8日、世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスは、保留中の取引の大量により、再びビットコインの取引を一時停止した。過去12時間でバイナンスがBTC取引を停止するのは2度目のことだ。