資産運用会社ヴァンエックのアナリストによると、ビットコイン(BTC)が国際貿易や国内取引の決済通貨として定着し、各国中央銀行の準備資産に組み込まれれば、2050年までに価格は290万ドルに達する可能性がある。
ヴァンエックのデジタル資産リサーチ責任者のマシュー・シーゲル氏とシニア投資アナリストのパトリック・ブッシュ氏は、年率15%の複利成長(CAGR)を前提に、2050年までにビットコインが世界の国際貿易の5〜10%、国内取引の5%を決済すると想定した場合、BTC価格が290万ドルに到達すると分析した。
両氏は木曜日のリポートで、世界的な流動性拡大と通貨価値の希薄化が価格上昇の主因になると指摘し、「この枠組みにおいて、ビットコインは短期的な戦術トレードではなく、不利な金融体制に対する長期ヘッジとして機能する」と述べた。
また、「短期的な価格変動は世界的な流動性サイクルやレバレッジに左右される一方、長期的な価値の蓄積は、国家の債務システムが抱える構造的欠陥とビットコインが収斂していく過程によって決まる」としている。
シーゲル氏とブッシュ氏は、中央銀行が資産の2.5%をビットコインで保有する可能性があると推定した。価格が290万ドルに達した場合、ビットコインは世界の金融資産全体の約1.66%を占める計算になる。
290万ドルはヴァンエックの基本シナリオであり、弱気シナリオでは年率2%成長で13万ドル、強気シナリオでは年率20%成長で5240万ドルに達すると見込んだ。

ビットコインはすでに、ベネズエラ、イラン、ロシアなど制裁下にある国々を中心に国際取引で利用されているが、G7諸国での採用は限定的にとどまっている。
主要通貨を上回る存在感も
国際決済ネットワークSWIFTのデータによると、2025年9月時点で国際貿易決済における米ドルのシェアは47.8%で、ユーロが22.8%、英ポンドが7.4%と続く。日本円と人民元はそれぞれ3.7%、3.2%で上位5通貨を構成している。

ヴァンエックのモデル通りにビットコインが5〜10%のシェアを獲得すれば、現在の英ポンドと同程度の水準で国際貿易決済に使われることになる。
なお、今回想定された年率15%の成長率は、2024年12月に同社が用いた年率25%からは引き下げられている。当時ヴァンエックは、米国が100万BTCを準備資産として保有すれば、2049年までに米国債務を35%削減できる可能性があると試算していた。

