テキサス州で1月14日から15日にかけて、2023年2月以来の急激な寒波に見舞われ、ビットコインマイニングのハッシュレートが34%減少した。これは、同州の電力網への需要増加に伴い、一部のマイナーが操業を縮小したことが原因とみられる。

YChartsのデータによると、1月11日には629エクサハッシュ/秒(EH/s)だったビットコイン(BTC)ネットワークのハッシュレートは、1月15日には415 EH/sにまで減少した。分析サイトによると、1月16日にはオースティンの気温が日中に一時的にプラスに戻ったことで、ハッシュレートは454 EH/sに回復した。

Foundryのデータによると、テキサス州は米国内のビットコインハッシュレートの約29%を占めている。中国がBTCマイナーと仮想通貨を取り締まった後、多くのマイニング企業が中国からテキサス州に移転した。テキサス州には、マラソン・デジタルやライオット・プラットフォーム、ビットディアー、コア・サイエンティフィックなど複数の大手マイニング企業が進出している。

数百件の停電が発生した2021年とは異なり、テキサス州の電力網に大きな障害が発生したという報告は少なかった。多くのマイニング企業は、テキサス州電力信頼性評議会(ERCOT)が主催するプログラムに参加しており、需要の高い時期に州の電力網への負荷を調整することで補償を得ている

マラソン・デジタルのチャーリー・シューマッハ最高コミュニケーション責任者はコインテレグラフに対し、「マラソンを含むビットコイン・マイニング企業は、テキサス州の電力網と、極度の寒さに苦しんでいる同州の住民を支援するために、操業を縮小してきた。これは、システムが本来あるべき姿だ。ビットコインマイナーは、極端な天候イベント時には電力をオフにするベースロードとして機能し、必要な人々が数分でより豊富で安価なエネルギーを利用できるようにする」と語った。

ライオット社の広報担当者は次のように述べている。

「ライオットは、需要応答プログラムに積極的に参加し、困難な天候条件下でグリッドのバランスをとるために、ERCOTが弊社の負荷を管理できるようにしている。」

テキサス州では、夏の極端な暑さと冬の寒波によって、電力インフラが損傷する可能性がある。2022年12月、アルゴ・ブロックチェーンは、テキサス州にある施設の冬季条件により、ビットコインのマイニングが11月に比べて約25%少なかったことを報告した。

1月17日時点でERCOTは、現地時間の深夜から「グリッドの状態は正常に戻る見込み」と発表した。