ビットコイン(BTC)の日足チャートにおいて、「ゴールデンクロス」が5月末までに確認される可能性が高い。過去の事例では、このテクニカルパターンが発生した後に大幅な上昇が起きる傾向があった。

Source: Benjamin Cowen

過去のゴールデンクロス後、BTCは45〜60%上昇

5月20日時点で、ビットコインの50日間単純移動平均線(SMA・赤色)は、200日SMA(青色)を上抜けしようとしており、2024年10月以来となるゴールデンクロスの形成が近づいている。

BTC/USD daily price chart. Source: TradingView

前回のゴールデンクロスは、トランプ氏の米大統領再選が追い風となったタイミングで、BTC価格は60%以上の上昇をみせた。

また、2023年10月にはビットコイン上場投資信託(ETF)への期待感が高まり、45%の上昇が発生。2021年9月にも同様のSMAクロスを背景に50%の上昇が見られた。

ゴールデンクロスが「裏切る」ケースも

ただし、過去に機能した指標が常に再現性を持つとは限らない。2020年2月には、ゴールデンクロスが発生した直後に新型コロナウイルスによる世界的な市場暴落が発生し、ビットコインは62%もの下落を記録した。

BTC/USD daily price chart. Source: TradingView

この経験はゴールデンクロスを単独で判断材料とする危うさを示しており、他のテクニカル指標やマクロ経済要因と併せて分析することが重要だろう。

今回のゴールデンクロスは、米中貿易摩擦の緩和や米国のM2マネー供給量の増加など、ファンダメンタルズ面でも好材料と重なっており、強気なシグナルとして注目されている。

Source: Michaël van de Poppe

一方で、注目すべき点として、ビットコインの相対力指数(RSI)が5月上旬に70を超えて過熱圏入りしたのち、価格が一時調整局面にある点が挙げられる。

このため、クロス直後に急騰するというよりも、まずはサポートラインであるSMA(5月20日時点でおよそ9万2400〜9万5000ドル付近)まで一時的に下落する可能性もある。

BTC/USDT daily price chart. Source: TradingView

ビットコイン価格が上昇を続ける一方でRSIが低下している「弱気のダイバージェンス」も進行しており、短期的な下振れの可能性が示唆される

とはいえ、一部のテクニカル指標では、今後数カ月以内にBTCが15万ドルに達するシナリオも示されており、長期的な強気トレンドが完全に崩れたわけではない。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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