◆CMEのビットコイン先物は26日に期限を迎えた。
◆しかしビットコイン(BTC)価格はほぼ無反応でボラティリティの低い状態が続いている
◆ビットコイン(BTC)とビットコイン先物の相関関係をめぐっては見方が分かれている

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物は26日に期限を迎えたが、ビットコイン(BTC)価格にほとんど影響が見られなかった。ビットコイン(BTC)はビットコイン先物の期日前後に値動きが激しくなるという説があるものの、変わらずボラティリティ(変動幅)が低い状態が続いている。

CMEのビットコイン先物期限一覧表

(引用元:CME  「ビットコイン先物期限」)

CMEのビットコイン先物の期日は、3カ月に1回。7月30日に始まったビットコイン先物は、10月26日金曜日のロンドン時間で午後4時に期限を迎えた(日本時間27日1時)。ただビットコイン(BTC)の価格は相変わらず6500ドル付近で推移していいて、ボラティリティの低い状態が続いている。28日付けのイーサリアム ・ワールド・ニュースもこの点を指摘している

ビットコイン/ドル価格チャート

(引用元:TradingView 「ビットコイン(BTC)価格の推移(1カ月)」)

 

ビットコイン先物と価格の関係

昨年12月にCMEとシカゴオプション取引所(CBOE)がビットコイン先物取引を始めて以来、ビットコイン価格との相関関係が相次いで指摘されてきた。

米サンフランシスコ連邦準備銀行は5月、ビットコイン(BTC)が2万ドルの最高値から下落したのは、ビットコイン先物取引開始の結果であるという見解を発表。同連銀は「先物取引導入後の価格の急昇と、それに続く下落は、偶然には見えない」とし、「これはある資産に先物市場が導入される時、一般的に見られる典型的な動きと一致する」と指摘した。

また6月にはファンドストラット代表のトム・リー氏が、最近のビットコイン(BTC)下落は、ビットコイン先物の期日が原因である可能性があると分析。リー氏によると、期日が切れる前の10日間でビットコインは平均で18%下落する一方、6日後には回復する傾向があったそうだ。

 

関係ない説も浮上

一方でビットコイン(BTC)とビットコイン先物の相関関係を疑問視するレポートも出ている。調査会社のシンディケーターによると、ビットコイン(BTC)価格はビットコイン先物期日前に下落して期日後に回復するという通説が、崩れてきている。

ビットコイン先物期限と価格推移表

(引用元:Cindicator 「ビットコイン価格と先物期日(1月~10月)」赤がCBOE先物期日前の7日間、青がCME先物期日前の7日間)

1月の段階では、CBOEとCMEでビットコイン価格は通説通り先物期日の前に下落し、期日後に回復するという傾向が見られたと指摘。先物価格とスポット価格の価格差から利益を得る裁定取引が一因にあると解説した。

しかし4月以降、この通説が崩れる。シンディケーターによると、例えば5月ビットコインが急落した理由は、1万ドルのレジスタンス(抵抗線)を突破できなかったことが要因。弱気相場という全体の流れであって先物の期日より注目された結果だという。