米オーバーストック・ドット・コムは14年に初めてビットコイン(BTC)を決済手段として導入した大手小売企業だ。同社は株価が下落し続けていることを受けて、2度目の株式公開を断念した。ウォールストリートジャーナル(WSJ)が2日に伝えた。
昨年秋、オーバーストック・ドットコムが新しいイニシャル・コイン・オファリング(ICO)取引のプラットフォームを開発するというニュースが明らかになると、同社の株価は急上昇した。しかし、今月初めに米証券取引委員会(SEC)が、仮想通貨に対する徹底した捜査の一環として、同社の仮想通貨を扱う子会社ティーゼロ(tZero)を捜査していると報道された後、株価は10%近く下落した。
財務顧問サービスを提供するグッゲンハイム・セキュリティーズ社と契約した後、Eコマース事業を売るという選択肢が提案され、オーバーストック・ドットコムは2度目の株式公開を行い、400万の新規株を販売することを決めた。元々このアイデアは、昨年12月にオーバーストック・ドットコムのパトリック・バーンCEOが、ブロックチェーン事業の資金を集めるために提案したものだった。
オーバーストック・ドットコムの株価は先月15日に、同日に公表した同社の第4四半期の収益報告書が驚くほど悪かっため15%下落し、さらに、先週の2回目の株式公開実施の発表を受けて株価が10%下がったことを受けて、さらなる損失を防ぐための策を検討し始めた。
オーバーストック・ドットコムのサウム・ノルサレヒ社長は、前日の最後の取引時間に株式公開を取り止めたことに関して「市場が不安定だということと株価を考えて、株式公開を断念する」と述べ、「他の戦略的な選択肢を探し続ける」と付け加えた。
ブルームバーグのデータによると、オーバーストック・ドットコムの株価は現在32.85ドル前後で、月曜日一日で10%を少し上回る程度下落し、3月の最高値およそ63ドルと比較すると約50%値を下げている。仮想通貨市場の不安定な状態が続き、BTC価格が今月に入って7000ドルを割る中、株式市場でも3月25日まで5日連続安となった。16年1月以来のことである。