ビットコイン価格は3月中旬につけた史上最高値の62000ドルから20%ほど下落している。ただ、仮想通貨市場のボラティリティは大きいことから、現在の強気サイクルの中では正常な調整と言えるだろう。
市場は一直線には上昇しない。さらに上昇するためには調整局面が必要だ。26日は過去最高の60億ドルのオプションの満期が控えており、さらなるボラティリティが予想される。
53000ドルが重要ライン

4時間足チャートからは史上最高値である62000ドル以降、弱気のサポートとレジスタンスが反転し、明らかに下落基調を示している。
一方で、ビットコイン価格はテスラが電気自動車の購入にビットコイン決済を受け入れたことで上昇した。しかしこれは56500ドルのレジスタンスを突破できず、53000ドルのサポートを再テストした。
53000ドルがここ数週間で何度もテストされていたことで、今回はこのレベルが保持できず、25日に価格が暴落し51500ドルまで下落した。
そのためビットコイン価格は短期的な強気トレンドを復活させるために53200〜53800ドルのエリアを回復する必要がある。これが達成できなければ49500ドルから51500ドルの間の次のサポートゾーンまでさらに下降する可能性が高い。
全体としては強気

BTC/USDの日足チャートは、一貫してハイアーロウ(安値の切り上げ)とハイアーハイ(高値の切り上げ)を示していることから強気の動きだ。そのため44000ドルまで調整があっても強気の構造であることを意味する。
このためビットコイン価格は49500ドル〜51500ドルの間に大きなサポートがあるが、さらなる下落はありうる。
また弱気のダイバージェンスは市場が44000ドルの安値を更新するまでは確認されない。
ドルは強さを見せる

利回りが大幅に上昇していることから、米ドルは強さを見せている。そのためにコモディティや仮想通貨といったリスク資産の下落につながるかもしれない。
米ドルが反発すると、短期的には仮想通貨市場は弱気になるのが一般的だ。しかし、今回のドル上昇は堅いレジスタンスに直面していることから一時的なものだろう。さらに構造的には安値が切り下がり、高値も切り下がっていることから、すぐにもトレンドは反転するだろう。
そのため、ドルの勢いに歯止めがかかれば、ビットコインと仮想通貨市場のさらなる上昇の可能性が見込める。
今後のシナリオ

ビットコインの4時間足チャートは、下落トレンドを示しており、53200~53800ドルの再テストが拒否される可能性が高い。そのため、短期的にはより一層の下落が最も可能性の高いシナリオだ。
上のチャートに表示されている緑のゾーンは、強気のダイバージェンスまたは反発の可能性があるかどうかを監視するエリアだ。このような動きが発生した場合、強気派にとって理想的なシナリオは、安値の切り上げを確立することだ。
このような形が形成されると、ビットコイン価格は上昇を続けることになり、68000ドルと82000ドルが次の注目点となる。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン