仮想通貨の市場心理を示す「恐怖・強欲指数」が、2年ぶりに「極度の恐怖」のゾーンに突入した。
この指数はビットコインおよび仮想通貨全体の市場心理を測定するもので、8月5日に100点満点中17点にまで下落した。これは2022年7月12日以来の低水準になる。7月29日時点では67点であり、ここ数年で最も大きな週次下落の1つとなった。

現物ビットコイン上場投資信託(ETF)が8月5日に1億6800万ドルの流出を報告している。主な流出先は、グレースケール・ビットコイン・トラストとARK21シェアーズ・ビットコインETFで、それぞれ6910万ドルと6900万ドルの流出があった。
一方、グレースケール・ビットコイン・ミニ・トラスト、ヴァンエック・ビットコインETF、およびビットワイズ・ビットコインETFは、それぞれ2180万ドル、300万ドル、290万ドルの流入を記録した。ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラストはゼロのままであった。

しかし、現物イーサリアムETFは、iシェアーズ・イーサリアム・トラストが4710万ドルの流入を記録し、合計4880万ドルの流入があった。ヴァンエックとフィデリティのイーサリアムETFも、それぞれ1660万ドルと1620万ドルの流入を記録した。
仮想通貨市場の市場心理は、8月5日にビットコインとイーサリアムが2時間でそれぞれ10%と18%下落したことで悪化した。レバレッジをかけたロングポジションが6億ドル以上吹き飛び、多くのアルトコインがビットコインやイーサリアム以上に打撃を受けた。また、8月5日には米国株式市場からも数兆ドルが失われた。
市場の混乱は、雇用統計の弱さ、主要テック株の成長鈍化、そしてリセッション懸念が再燃したことによって引き起こされた。トレーダーのボブ・ルーカス氏は、過去3日間を7年~10年に一度の出来事だとし、仮想通貨市場の時価総額から5000億ドル以上が消し飛んだと述べた。
ビットコインアナリストのトゥール・デミースター氏は、ビットコインが4万ドルから4万5000ドルの間で底を打つ可能性があると考えているが、これに賭けることには慎重であるべきだと警告している。「ビットコインの強気市場では、価格がすぐに急騰する可能性があるため、弱気に賭けるべきではない」。
ビットコインは足元で反発しており、8月5日の4万9780ドルから11.85%上昇し、5万5680ドルとなった。
