ビットコインの新時代が幕を開けたー。

現物型ビットコインETF(上場投資信託)が日本時間で11日、米証券取引委員会(SEC)によって正式に上場承認された

公式発表によると、米証取委員会はARK 21シェアーズ、インベスコ・ギャラクシー、ヴァンエック、ウィズダムツリー、フィデリティ、ヴァルキリー、ブラックロック、グレイスケール、ビットワイズ、ハッシュデックス、フランクリン・テンプルトンの19b-4申請を承認し、現物型ビットコインETFが各証券取引所に上場し取引されることを可能にするルール変更を承認した。

SEC decision approving applicants for Bitcoin ETFs. Source: U.S. SEC

今回、各証券取引所に承認された銘柄は以下の通り。

ニューヨーク証券取引所

  • グレイスケールビットコイントラスト
  • ビットワイズビットコインETF
  • ハッシュデックスビットコインETF  

ナスダック

  • iShares ビットコイントラスト
  • ヴァルキリービットコインファンド

CBOE(シカゴオプション取引所)BZX取引所

  • ARK 21 シェアーズビットコインファンド
  • インヴェスコギャラクシービットコインファンド
  • ヴァンエックビットコイントラスト
  • ウィズダムツリービットコイントラスト
  • フィデリティワイズオリジンビットコインファンド
  • フランクリンビットコインETF

ビットコインは記事執筆時点で46000ドル付近を推移している。

今回の承認により、個人投資家及び金融機関は直接ビットコインを購入したり、自己保管することなくビットコインを原資産とする株式に投資できるようになる。

取引開始初年度に流入が見込まれる資金は数兆円規模ともいわれる。個人投資家以外にも金融機関や年金基金等巨額マネーの流入が見込まれており特大級の好材料と目されている。

ビットコインETFの承認は暗号資産をより広く一般社会に普及させる契機となるイベントで、暗号資産ファンや業界の待望だった。

承認までかかった時間は実に10年だ。2013年にウィンクルボス兄弟がビットコイントラストの設立を申請して以来、米SECは潜在的な市場操作や詐欺の懸念を理由に、現物型ビットコインETFの申請を一貫して拒否していた。

転機は2023年8月だった。米暗号資産投資運用ファンドのグレイスケールが現物型ビットコインETFの否決に関する裁判で証取委員会に勝訴したのだ。

また一部では、暗号資産を証券として規制したい米SECと、商品として規制したい米商品先物委員会の間で権限争いがあったことも、米SECによるビットコインETFの承認を後押ししたとも言われる。

一方、分散型とプライバシーを重んじる古くからのビットコイン愛好家の中にはETF承認を冷ややかに見る人もいる。

暗号資産分野のインフルエンサーで投資家として知られるドビー・ワン氏は今回のETF承認に先立って米SECのツイッターアカウントがハッキングされたことに言及し「基本的な2段階認証で自分の ツイッター(X)アカウントを保護することさえできない機関(米SEC)を信頼してビットコインを預けるのは、滑稽に思える。

「ETFの承認はビットコインが広まる良い広報イベントであり仮想通貨業界にとっては正味プラスだが、証券としてのビットコインは本物の資産所有権ではなく、単に価格エクスポージャーを提供しているだけであることを認識することが重要だ」と語っている。

とはいえビットコインETFが承認されたことで、暗号資産はいよいよ広い普及への一歩を踏み出したといえるだろう。

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