米証券取引委員会(SEC)は、ソーシャルメディアアカウントのハッキング事件を調査を開始しているにも関わらず、今週中にも現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)に関する決定を進める見込みだ。
1月9日、SECのX(旧ツイート)アカウントがハッキングされ、現物型ビットコインETFが米国で承認されたというツイートを投稿した。このメッセージは約20分後に削除されたが、ソーシャルメディアや市場に大騒動を引き起こした。SECは法執行機関と連携し、事件の解明に努めていると報じられている。
一部の評論家は、この問題が1月10日の予定されていた期限を過ぎて決定を遅らせる口実として利用されるのではないかと懸念しているが、多くの人はその可能性は低いと見ている。
「それはSECの意向次第だ。ETFプロセスをさらに遅らせる方法をSECが探しているなら、この事件を遅延の理由として利用する可能性がある」とサトシアクションファンドのデニス・ポーターCEOはコインテレグラフにコメントした。ポーター氏は、SECが1月10日にビットコインの現物ETF申請者にゴーサインを出すことを示唆する情報を依然として持っているとした。
「しかし、私が関係者から聞いていることからは、ETFは今週遅くとも、早ければ明日にも承認されるだろう」とポーター氏は付け加えた。
米国の商事訴訟専門の弁護士であるジョー・カーラサーレ氏も、SECが1月10日の期限までに決定を下す可能性が高いと考えている。「あらゆる可能性があり得るが、この事件に基づいて承認または却下しないとは極めて考えにくい」とカーラサーレ氏はコインテレグラフに語った。
しかし、仮想通貨に焦点を当てた金融会社クォンタム・エコノミクスのマティ・グリーンスパン氏は、証券規制当局が誤った投稿を遅延のための口実として利用する可能性があると指摘している。「SECがこの騒動をETF承認の遅延に利用しようとする状況は十分に考えられる。彼らが市場に対して自分たちのアジェンダを強制するために不正な方法を用いるのは初めてではない」とグリーンスパンは語った。
Part of me is like. Yea he kinda has a point -- this is a bad look. But at the same time this is on the SEC for not having 2FA on their account. Would it still be #Bitcoin or Crypto's fault if the compromisoor tweeted that the SEC was filing an enforcement action against @Tesla? https://t.co/sBySYfPXmY
— James Seyffart (@JSeyff) January 9, 2024
ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナスは、1月10日の米東部時間午後4時から5時(UTC午後9時から10時)の間に現物型ビットコインETFを承認するだろうと予想している。
デジタル資産専門の弁護士のアンソニー・トゥー・セキネ氏はニューヨーク・ポストに対し、承認がすでに広く予期されていた時点で、なぜ誰かがそのようなことをするのか不明だと述べ、「これは本当に不可解だ」と語った。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン