28日の仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)は11000ドルを超えた状態を維持している。ビットコインキャッシュ(BCH)、ビットコインSVなども10%近い上昇を記録している。一方、最近急騰を続けていたイーサ(ETH)はやや値を戻し、320ドル付近を推移している。

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(出典:Coin360 7月28日 午前11時25分)

今回の上昇では、ビットコインだけでなく、金(ゴールド)先物も過去最高を記録している。金先物はアジア時間の午前の取引で初めて1オンス=2000ドルを超えて、過去最高値を更新した。

今回の上昇には新型コロナウイルスによって経済が打撃を受ける中で、市場の不透明感や米中対立の激化などが金相場を押し上げている。

一方で米株のS&P500は年初来のリターンは1%未満と低調だ。

資産運用を手がけるカプリオール・インベストメントでデジタルアセット・マネジャーを務めるチャールズ・エドワード氏は9000ドル付近から現在の11000ドルまでの大幅な上昇が株ではなく、金の上昇と同様に起こったことから「ビットコイン自体が安全な避難場所であることを証明している」とデジタルゴールドとしての地位を固めていることを指摘した。

エドワード氏が示すグラフからは金との相関が高まっていることや、株価とのデカップリングが進んでいることが示されている。

一時、ビットコインとS&Pとの相関の高まりが報じられていたが、現在は相関は崩れ、金と同様に上昇の道を歩んでいるようだ。

今回のビットコインや金の価格上昇と、株価の下落には米政府などの新たな景気刺激策によるものとする考えも出ている。

ブルームバーグは28日、Fat Prophetsのアナリストであるデビット・レノックス氏の「米国のマネーサプライには、実際に金を押し上げるのに十分な勢いがあるようだ 」とのコメントを紹介。「新型コロナウイルスが経済を破壊し続ける中、おそらくより多くの刺激策が取られるだろう。米ドルの下落につれて、金は明らかに上昇している。」と話した。

次の目標は?

10500ドルの重要なレジスタンスラインを突破したことで、これまでレジスタンスとして機能していたこのラインがサポートとなることが指摘されている。

次はどこが重要ラインとなるのか。

仮想通貨トレーダーのフィリップ・スウィフト氏はフィボナッチリトレースメントの黄金比から「最初の主要なレジスタンスは14000ドル付近になる」と予想している

コインテレグラフのテクニカル分析では短期的には11870ドルが短期的なターゲット、16997ドルが中期的なターゲットとして示されている。さらにはビットコインが大きな対称トライアングルのレジスタンスラインの上に追い込んでいることから、長期的には28881.90ドルがターゲットとなるとしている。