ビットコイン(BTC)のコインベース・プレミアム指数が、3月19日の5%の価格上昇を受けて、2月20日以来の最高水準に達した。

Bitcoin’s Coinbase premium index. Source: CryptoQuant

コインベース・プレミアムの上昇がビットコインの蓄積を示唆

コインベース・プレミアム指数は、コインベースとバイナンスのBTCの価格差を測定する指標であり、この値が高いほど、米国の投資家による強い買い圧力を示している。

この指標は米国の個人投資家の関心を示すものとされているが、クリプトクオントのアナリストであるWoonminkyu氏によると、米国の機関投資家や大口投資家(クジラ)の蓄積の可能性も示唆しているという。

Coinbase premium analysis by Woominkyu. Source: CryptoQuant

同氏は、「この指数の30日間EMA(指数平滑移動平均)が100日間EMAを上回ったことは、大口プレイヤーの存在を示している」と指摘し、次のように述べた。

「過去の傾向を見ると、この指標が上昇するとビットコインの強気相場が継続する傾向がある。現在は蓄積フェーズに入る可能性が高く、BTCの動向を注視すべき重要な局面だ」

2024年初頭にはコインベース・プロがコインベース・アドバンスドへ統合されており、このプラットフォームはマイクロストラテジーやテスラといった企業のBTC購入に利用されている。そのため、コインベース・プレミアムは米国の機関投資家の関心を一定程度反映している可能性がある。

ビットコインは3月中に9万ドルを回復できるか?

BTCの日足チャートで確認された重要な強気要因のひとつが、200日間指数平滑移動平均線(EMA)の再突破である。価格が200日間EMA以上を維持できれば、上昇トレンドの継続可能性が高まり、ハイアーハイを形成する展開が期待される。

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ビットコイン 日足チャート Source: Cointelegraph/TradingView

8万5000ドルのレジスタンスを突破し、これをサポートに転換できれば、9万ドルへの再テストの可能性が一層高まる。また、日足チャートでは、BTC価格がボリンジャーバンド(BB)の下限から反発しており、BBの移動平均線が9万ドル以上の水準を維持している点も強気のサインといえる。

一方で、週末までに日足ローソク足が8万5000ドルを下回る形でクローズすると、この強気シナリオは無効化される可能性がある。MNコンサルタンシーの創設者マイケル・ヴァン・デ・ポッペ氏は強気の見解を示し、「数日以内に9万ドルを再テストする流れが継続するだろう」と述べた

しかし、ビコーズビットコインの創設者であるマックス氏は、BTCには「もう少し調整が必要かもしれない」と指摘。EMAクラウド指標がBTCの価格を8万8000ドル~9万ドルのレンジで抑え込んでいることを理由に、慎重な見方を示した。

「ビットコインはすべての時間軸で上昇トレンドにあるが、日足および週足のRSIは依然として弱い」

また、仮想通貨トレーダーのコルーシュ・AK氏も慎重な姿勢を取っており、市場構造の変化が確認されるまで警戒を続けるべきだと主張。同氏は、BTC価格が現在「重要な水準である9万ドルを下回っており、7万3000ドル以下への調整リスクが依然として残っている」と警告した。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。