ビットコインキャッシュネットワークは5月15日、開発者がBCHと同じ特性を持つトークンを作成できるようにする大規模なアップグレードを行った。新たに登場した「キャッシュトークン」と呼ばれるトークンは、ネットワークを利用する誰でも発行可能だ。

ネットワークは、ブロック高792772でアップグレードした。ビットコインキャッシュの開発者ジェイソン・ドライゼーナー氏によると、新たなアップグレードにはキャッシュトークンのサポートが含まれ、「金融アクセスの拡大ツール」であると同氏は見ている。また、未来に備えた多者間のボールトや、トランザクション検証の技術的改善などの特徴もある。

ドライゼーナー氏は、キャッシュトークンがステーブルコインや商品、ギフトカード、イベントチケットなど、さまざまなアプリケーションで使用できると強調。さらに、その基礎技術は分散型取引所(DEX)、セキュリティボールト、ブリッジされたサイドチェーンなどの高度なオンチェーンアプリケーションを可能にするとも述べている。

新たなアップデートを受けて、同日にBCHの価格は急騰した。データによると、トークンは114ドルから5月15日には120ドルの高値を記録。しかし、アップグレード後、価格はほぼ瞬時に113ドルから114ドルの範囲に戻った。

Bitcoin Cash price index from May 14–16. Source: Cointelegraph

ビットコインキャッシュネットワークがキャッシュトークンにアップグレードする中、BRC-20トークンがますます人気を博している。5月9日には、BRC-20トークンの時価総額が10億ドルを突破。BRC-20トークンが作成されてから2ヶ月での爆発的な成長は、Ordi(ORDI)、Nals(NALS)、VMPX(VMPX)、Pepecoin(PEPE)、Meme(MEME)などのトークンの成長によって牽引された。

新たな開発は多くの人々にとって興奮をもたらした一方で、ネットワークには新たな問題が生じた。5月10日、クリプトクオントのアナリスト、アクセル・アドラー氏は、新たなトークン規格によりビットコインネットワークに高い手数料とトランザクションのバックログが発生していると指摘した。