著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

10月第3週のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比11,935円(0.99%)高の1,212,891円と2週続伸し120万円台を維持。対ドルでは11,500ドル手前の水準まで値を戻した。

先週は、米経済対策案が11月3日の大統領選までに通過しないとの観測が高まる中、ドルが上昇し株が上値を重くした上、リップル社主催の年次イベントSWELL開催を契機にXRPの「SWELL下げ」が起きたにも関わらず、BTCは118.4万円〜123.4万円のレンジ内で概ね推移し、逆境の中でも底堅さを印象付けた(第2図)。

16日には、元中国大手で現在は本社をマレーシアに置くOKExが、「秘密鍵保持者の一人が当局の捜査に協力しており、当人と連絡が取れていない」と発表したことを切っ掛けに売りが加速し相場はレンジ下限を一時は割り込むも、押し目買いの様相ですかさず切り返した。

本件を巡ってはその後、OKEx創業者が逮捕されたと中国メディアが報じているが、週末にはSWELL下げが一服しアルトコイン市場も下げ止まり、全体的に自律反発の様相となると、17日にはペロシ米下院議長が経済対策案合意に前向きな発言をしたことも助けとなり、BTCはレンジ中央まで値を戻して行った。今月のビットメックスに引き続き規制に関する材料で売りが出た訳だが、前回同様、こうした売りは一時的な影響に止まった模様だ。

第1図:BTC対円チャート(1分足)、前日平均値・4本値、騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成
 

第2図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。