著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

先週(21日〜27日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比804,254円(16.34%)高の5,728,455円と4週続伸し、およそ3ヶ月ぶりの水準まで戻した。対ドルでは、中期レジスタンスとなっていた45,000ドル(≒550万円)の上抜けに成功し、46,850ドルにつけ年次でプラス圏に回復した。

先週のBTC相場は、ゴールドマンサックス(GS)の初のBTCオプション取引の報道や、ステーブルコインのTerraがUST発行の裏付けとして30億ドル相当のBTCを購入する計画を発表、さらには米投資銀行のCowenが暗号資産(仮想通貨)専門部門を立ち上げ、BTCの取引を提供すると発表するなど好材料が続き、週明けから底堅い展開を繰り広げ、43,000ドル上抜けをうかがった。週央のBTC対円相場は、ドル高円安の影響を受けジリジリ上昇する43,000ドル水準に吸い付くようにジリ高を演じ520万円のせに成功すると、ブラックロックが投資家向けのノートで、ウクライナでの戦争がデジタル通貨の普及を加速させると記したことを好感し、44,000ドル水準となる540万円まで一段高を演じた。

25日から週末にかけては、Deribitのオプションカットを通過すると相場は45,000ドル上抜けをうかがうも、米株の下落に連れ安となり反落。しかし、この日は欧州議会が仮想通貨の規制方針(MiCA)を通過させ、PoWの利用を禁止する条項が排除されたまま議会、同委員会と評議会の3者協議に進むこととなったことや、米石油大手のExxon Mobilが余剰ガスを利用したBTCマイニングを試験的に開始すると発表したこともあり、540万円台で粘り腰を発揮し下げ止まった。

週末には、目星い材料のない中、出来高も細ったものの、540万円台を維持し、今朝方に約7,000万ドル(≒85.5億円)のショートポジションの清算を伴い急伸。対ドルでは、中期アセンディングトライアングルの上辺となる45,000ドルの上抜けに成功し、47,000ドル(≒573万円)にタッチした(第2図)。

第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。