著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

先週(5月31日〜6月6日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比6,136円(0.16%)高の3,930,958円とほぼ変わらず。重要なイベントや指標が目白押しとなった週としては値動きは落ち着いていた。

先週のビットコインの対円相場は、週明けからXRPやドージコイン (DOGE)の上昇を追い風に戻りを試す展開で400万円を回復。週央にかけては、中国・四川省で開催されたマイニングに関するシンポジウムで、マイニングに対する具体的な方針が示されなかったことや、2018年に開始されたグーグルの暗号資産(仮想通貨)交換業者やウォレットに対する広告掲載禁止策が今年8月3日から条件付きで廃止されるといった材料を味方に430万円台を回復。

ところが、イーロン・マスク氏のビットコインとの決別を示唆するツイートが嫌気され、相場は4日アジア時間から急反落し、米市場序盤に400万円を割り込んだ。ただ、この日は米雇用統計で5月の非農業部門雇用者数が55.9万人と市場予想中央値の65万人に届かず米金融政策正常化の前倒し観測が後退した一方、失業率は5.8%と4月の6.1%から改善し、リスク資産には心地よい結果となりビットコインは反発し翌5日朝方に410万円台を回復した。

しかし、雇用統計を無事に通過しbitcoin 2021も開幕となり修羅場を掻い潜ったかと思われたビットコインだったが、中国のSNSウェイボが仮想通貨関連の数アカウントを停止したことが伝わると相場は再び急反落し400万円の維持に失敗。6日にはエル・サルバドルがビットコインを法定通貨として認定する計画を大統領自らが発表したことでやや相場も反発したが、週足終値は週央までの上げ幅をほぼ掻き消す格好となった。

第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成
 

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