著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

先週(11月30日〜12月6日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比124,013円(6.55%)高の2,018,002円と9週続伸し、2017年12月ぶりに週足終値で200万円を奪回した。

先週のBTCは、週明けよりドル安の流れが相場の追い風となり上値を追う展開を繰り広げ、11月30日から12月1日にかけて海外主要暗号資産(仮想通貨)取引所のBTC対ドル相場は2017年の過去最高値を更新した。しかし、1日に米大手コインベースで相場が過去最高値を更新すると、直後に急反落に転じ、この日の相場は207万円から一気に190万円周辺まで売り込まれ、利益を確定する動きが加速した。

相場が対ドルで過去最高値に近づいて以降、ビットコインのブッロックチェーン上では大口やマイナーの利食いを想起させる巨額のBTC送金が相次いで検知され、直近2ヶ月ほど続いた相場上昇の勢いに冷や水を差している。一方、先週の外為市場ではドルが広範の通貨に対して売られたことで、ドルインデックスは8月の安値を割り込み、およそ2年7ヶ月ぶりの安値圏に沈んだ。背景には米国での追加のコロナウイルス救済案を巡る協議が進んだことがあり、先週はこれを受けて米主要3指数が終値で最高値を更新、金相場は4週間ぶりに反発した。BTCにとってもこれが相場を下支えする材料となり、相場は利食い売りをこなしつつ、1日以降は192万円から203万円のレンジで底堅さを印象付けた(第2図)。

bitbank1第1図:BTC対円チャート(1分足)、前日平均値・4本値、騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成


bitbank2第2図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成
 

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。