著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

先週(6日〜12日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比99,505円(1.78%)高の5,699,505円と小幅に反発し、3週続落を回避し下げ止まった。

新型コロナウイルスのオミクロン変異株に対する警戒感の後退や、Block(旧Square)のSpiralによるLightning Development Kit(LDK)の発表を好感し、今月4日の相場暴落から一転して戻りを試す展開で始まった先週のBTC相場だったが、590万円にタッチしCMEのBTC先物が窓埋めを完了すると戻り一服感で反落し、週央の相場は節目の50,000ドル水準(≒567.6万円)で揉み合いに。しかしその後は、中国恒大集団の一部ドル建て社債の債務不履行や、10日の米消費者物価指数(CPI)発表を控え米株に利食いが入った影響でBTCは上値を重くし、540万円まで下落した。

10日のBTCは米CPI発表直前から思惑買い的に反発し、結果が前年同月比で6.8%と市場予想と一致すると、一時は570万円近辺まで上値を伸ばすも、インフレの高止まりで当局のタカ派姿勢は崩れないとの公算もあってか、すかさず反落し上げ幅を掻き消した。ただこの後、ビットコインのハッシュレートが中国のマイニング禁止令発令以前の水準に戻し、週末には採掘難易度(ディフィカルティ)が8.33%(前回-1.49%)上昇したことで実需の回復が好感され、相場は底堅く推移し節目の50,000ドルを回復して週足終値を付けた。

第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成

続きはこちら

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。