著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

13日のビットコイン(BTC)対円相場は354,828円(5.40%)高の6,923,350円と上伸し、過去最高値(6,724,683円)を更新した。対ドルでも最高値の61,788ドルを更新し、63,774ドルの高値を付けた。イーサリアム(ETH)の対円も最高値を更新し、16,331円(6.97%)高の250,582円。リップル(XRP)対円は終値にかけて売られるも、一時は205円にタッチし、2018年1月15日以来の高値に浮上した。

東京時間のこの日のビットコインは確りとした推移で、対ドルで節目60,000ドル水準となる656万円から前日高値の670万円を試しにいった。短期レンジの上限として意識された同水準では戻り売りが入るも、今週のメインイベントであるコインベースのナスダック上場を翌日に控え、市場では買いの順回転が加速し、欧州勢参入後に相場は急伸し、670万円と3月高値を一気に上抜け690万円台に初めて浮上した(第2図)。

米労働省がこの日発表した消費者物価指数(CPI)は、前月比0.6%、前年同月比2.6%上昇と、ベース効果もあって高水準となり、金(ゴールド)にはインフレを警戒する買いが見られた。一方のビットコインは、NY時間の序盤こそ小確りと推移し694万円にタッチするも、史上最高値圏に浮上したことで利益を確定する売りに上値を抑えられる格好となり、NYの終盤には682万円まで押した。ただ、コインベース上場への期待感やインフレの伸びが示されたことで下値も限定的となり、NY市場の引け後からは押し目買いの様相で反発し、692万円周辺まで値を戻している。

第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成

第2図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。