著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
10日のビットコイン(BTC)対円は上値を試すも、終値では小幅に反落した。米国の現物ビットコインETFへの資金フローが前日も2億ドル(≒320億円)を超える純流入となったことで、この日のBTC相場は上値を追う展開となり、58,000ドル(≒937万円)周辺のレジスタン上抜けに成功、ドル建てでは59,000ドル周辺(≒953万円)の200日線をも回復した。一方、その後は戻り売りが入り上げ幅を縮小すると、欧州時間の序盤にかけてドイツ政府が約1万BTC(≒928億円)を取引所やマーケットメイカーに送金したことが嫌気され、相場は上げ幅を完全に解消した。その後の相場は、大口BTCの売り圧力への懸念が燻るも、FRBの早期利下げ期待が下値の支えとなったからか下げ渋る展開となった。
第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成