著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

3日〜9日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比279,018円(2.62%)高の10,943,018円と反発するも、高値保ち合いからの上放れには失敗した。

先週のBTC円は週前半の1100万円回復以降、揉み合いが続いていたが、7日の米雇用統計を前に小締まる展開となり1123万円の史上最高値を記録した。

しかし、その後発表された5月の米雇用統計では、失業率が3.9%から4.0%に上昇したものの、月間の雇用者増加数と平均賃金が上振れ、FF金利先物市場では米連邦準備理事会(FRB)が9月の利下げ着手を急がないとの観測が強まった。これを受けてBTCはロングの投げを伴って急反落を演じ、ドル建てでは4日に上抜けに成功した下降チャネルの上限を再び割り込むと、失望売りが加速し一時は69,000ドル(≒1083万円)をも割り込んだ。

一方、米雇用統計が景気の底堅さを示したことで、この日の米株式市場は底堅い推移となり、BTCもその後は69,000ドル水準を回復し、1092万円周辺で揉み合いに転じると、週末は方向感に欠ける展開に終始した。

第1図:前日のBTC対円チャート 出所:bitbank.ccより作成

続きはこちら