著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
20日〜26日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比106円安の5,612,311円とほぼ変わらず。ただ、先週は一時530万円周辺まで押した後に復調し、週足は長い下ヒゲをつけており、底堅さを印象付ける推移となった。
バイナンスと米司法省(DOJ)との司法取引により、CEOのCZが退任に追い込まれ、21日には売りが加速したBTCだったが、同社の運営が継続するとの安心感から翌22日には下げ幅を解消すると、米時間には560万円を一時回復し週明けからの下げ幅を完全に奪回した。
23日には、米失業保険新規申請件数の予想外の減少や、米ミシガン大学が発表した11月の1年先の期待インフレが伸びを加速させたことで米債利回りが上昇し、一時はBTC相場の重石となったが、米株が底堅く推移したことで下げ幅は限定的され、BTCは560万円周辺の水準を維持した。翌24日には、デリビットのオプションカットを通過すると相場はジリ高に転じ、一時は38,000ドル水準(≒566.6万円)を回復した。しかし、心理的節目を相場が上回るとすかさず売りが入り、終値での38,000ドル回復には失敗した。
週末のBTCは概ね560万円台中盤での推移に終始していたが、CZに懲役10年が課される可能性があるとの報道を嫌気し、26日海外時間からやや軟化した。
第1図:BTC対円チャート 出所:bitbank.ccより作成