著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

5日〜11日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比188,001円(4.94%)安の3,619,997円と2週続落。ドル建てでは、およそ3ヶ月ぶりに週足終値で26,000ドル(≒362.8万円)を割り込んだ。

米証券取引委員会(SEC)によるバイナンスとコインベースの提訴により、先週の暗号資産(仮想通貨)市場は週明けからアルトコインを筆頭に売り優勢となったが、同委員会に「商品(コモディティ)」として認められているBTCは、対ドルで2月高値の25,300ドル(≒353.1万円)周辺で買い支えられ、他のアルトコインと比較して底堅い推移が続いた。ただ、5月の米消費者物価指数(CPI)と米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、先週は米株市場やNY金先物も警戒感から方向感を示せず、BTCの上値は重かった。

こうしたなか、金曜日にはバイナンスUSが米ドルの入出金停止を発表した他、Crypto.comが機関投資家向けサービスの停止を発表し、ロビンフッドがカルダノ(ADA)、ポリゴン(MATIC)、ソラナ(SOL)とSECが証券と主張するアルトの取り扱い廃止を発表した。すると週末にはアルト主導で再び仮想通貨は全面安となり、BTCも連れ安。ただ、BTCはドル建てで2月高値周辺でまたも下げ止まり、足元では弱々しくも戻りを試している。

第1図:前日のBTC対円チャート 1時間足出所:bitbank.ccより作成

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