著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
9日のビットコイン(BTC)対円は大幅に続落し、1月20日ぶりの270万円台まで下落した。東京時間から欧州中盤にかけて、外国為替市場でドル安円高が進み、ドル建ての取引が主要なBTCは円建てでジリ安となり、290万円台中盤まで押すも、米新規失業保険申請件数の増加を受けて一時は小締まる展開となった。一方、昨日は米シリコンバレー銀行(SIVB)が預金減少を背景に17.5億ドルの株式売却を発表すると、金融セクターに懸念が広がり、銀行株主導で米主要3指数は下げ足を速めた。BTC相場もこれに連れ安となると、バイデン米大統領が暗号資産(仮想通貨)マイニングに使用される電力への30%の課税を提案、更にNY司法長官事務局が交換業者のクーコインを未登録の証券・商品ブローカーの疑いで提訴したこが相場の重石となり、一段と水準を下げた。
第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成