著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
9日のビットコイン(BTC)対円は下げ一色で大幅続落し、2020年12月ぶりに終値で240万円を割った。FTTショックから一夜明け265万円周辺で揉み合っていたBTC相場だったが、集計が続く米中間選挙で民主党が巻き返し始め上値を重くすると260万円割れをうかがった。さらに、バイナンスがFTX買収を撤回する公算が高いとの報道を受け250万円割れを試すと、その後バイナンスから正式に買収撤回の発表があり、240万円をも割り込んだ。FTXは破産申請する可能性が高いと言われており、CEOのバンクマンフリード氏がツイッターで資金は潤沢だと述べた三日前から事態は一転二転して、結局、助けを求めた白馬の騎士にさえも見放された格好だ。
第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成