著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

先週(16日〜22日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比180,084円(4.44%)安の3,873,715円と4週続落。対ドルでは8週続落と、ある意味で記録的な下落相場を演じている。

シカゴマーケンタイル取引所(CME)BTC先物主導で週明けから上値の重い展開となった先週のB TC対円は、中国の4月小売売上高の下振れを受けた株式市場のリスクオフも波及し、400万円台の維持に失敗。エルサルバドルで開かれたビットコイン版ダボス会議への期待感からか、一時は400万円台復帰を試みるが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の、インフレ抑制に向けて「積極的な行動を検討」するとの発言を受けて、戻りを抑えられると、米小売大手Targetの業績不振を受けた米小売関連株の売りが相場の重石となり、週央にかけて370万円割れを試した。

一方、対ドルで昨年安値となる同水準で相場がサポートされると、スイスのJulius Baer銀行の暗号資産(仮想通貨)取引サービス提供開始や、イスラエルのクレジットカード会社2社のBTC売買サービス開始などを受け反発。週末前の米株が寄付きから強く売り込まれたことで、BTCは上げ幅を綺麗に解消したが、対ドルの昨年安値水準となる370万円周辺で下げ止まった。

週末のBTC対円は、薄商いの中、売り一巡の様相でジリ高となると、22日の「ビットコイン・ピザデー」に祝賀買い的な特需が生まれたか、一段高を演じ380万円を回復。今朝方にはもう一段高トライしたが、CMEのBTC先物がギャップアップして今週の取引を開始したことで上値を抑えられている。

第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成
 

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