イギリスの金融グループ、バークレイズが初のブロックチェーンベースの貿易取引を行うべくイスラエルのスタートアップと提携したようだ。これにより数分以内でのトランザクションの送信が可能となり、一般的には数時間、1日はかかる従来のトランザクション・プロセスを経るよりもコスト削減につながり、よりセキュアに取引が行えるようになる。

バークレイズによると、トランザクションはSeychelles Trading Company宛で、約10万ドル分に相当するアイルランドのフード・カンパニー、Ornuaの乳製品によるものだったようだ。

バークレイズのグローバルトレード&ワーキング・キャピタルの責任者を務める、Baihas Baghdadii氏は次のように述べている―

 

「この技術が現実味のあるものであると我々は証明したのです。クライアントであるOrnuaは早速同じ方法で次いつ取引が行えるのかと、弊社に質問を投げかけてくれました。これはつまり、如何に全てのプロセスがユーザーフレンドリーであったかということを証明したということです」

 

 

バークレイズとWave

 

バークレイズは、同社のブロックチェーンアクセラレータプログラムに参加していたWaveが提供するブロックチェーンを利用している。Waveのプラットフォームによりバークレイズは簡単に利用できるブロックチェーン・インターフェイスを手に入れ、不正操作の心配をせずにトランザクションを管理することが可能となった。

トランザクション自体は、ブロックチェーン上に記載する取引の記録としてOrnuaとSeychelles Trading Companyの間で取り扱われる取引資料として利用される。

 

バークレイズはプレスリリースで次のように記載している―

 

「Waveによって開発された新たなブロックチェーンベースのシステムは、分散型元帳技術によるセキュアな分散型ネットワークを利用することで、権利譲渡や、積荷書類の送電など、現在の国際間取引における多くの面で不便な点を全て一掃することになるでしょう」

 

ブロックチェーンに取り組む他の銀行

 

フィンテックにおいてブロックチェーンを導入しようと試みた銀行はバークレイズに限らない。HSBCやバンクオブアメリカ・メリル・リンチもまたより迅速且つ、コスト・エフェクティブな取引を行うためのブロックチェーンベースの銀行システムを試験運用しているといわれている。

 

WaveのGadi Ruschin CEOはこう語っている―

 

「ブロックチェーン技術の効果的な運用によって未来の取引に大きなインパクトを与えることが出来るはずです。弊社のシステムを採用すれば、取引はより簡単に且つ安く行うことが出来ます。取引時のコストのほぼ5%が書類処理にかかることが調査からわかっていますので、こういった処理プロセスを向上させる大きな可能性があります。我々は正しかったのです。バークレイズと提携し、さらに発展させた業界全体に広がるソリューションを創りだす日を待ち望んでいます」