現実世界のデータとブロックチェーンを結ぶオラクル・ブロックチェーンである「バンドチェーン」を使って分散型データベース開発を進めるバンド・プロトコル社は13日、バンドチェーンがフェーズ2「老子」へのアップグレードを進めていることを強調した。コインテレグラフに提供されたプレスリリースによると、2021年6月に初めて提案されたこのアップグレードは、外部プロバイダーが分散型データベースにデータを供給することを可能にする初のデータオラクルネットワークとなるという。

バンド・プロトコルは、分散型アプリ(dApps)へのアクセスを簡素化することで、従来の企業がより多くのデータソースや豊富な種類のデータにアクセスできるようになることを目指す。また、バンド・プロトコルと提携しているデータプロバイダーが、オンチェーンの開発者にデータを提供できることも目標としている。

バンド・プロトコルのCEO兼共同創業者であるソラヴィス・シーナワクン氏は次のように説明している。

「分散型アプリケーションのオンボーディングを進めるため、我々は大手企業とブロックチェーン業界のギャップを埋めることに焦点を当てている。従来の企業が、自社の貴重なデータをバンド・プロトコルを通じて分散型エコシステムと統合することで、新たなビジネスモデルや収益源を生み出す可能性は非常に大きい」

リリースによると、「老子」では、小規模なデータプロバイダーにも新たな収益源を生み出す機会を提供するとともに、オンボーディングプロセスを簡素化することでデータの質を高めることができるという。

バンドチェーンは770万件以上のデータリクエストに対応したと述べており、フェーズ2では、ブロックごとに8倍のリクエストをサポートし、10~15倍高速化したオラクルスクリプトの実行が可能になるという。また、フェーズ2では、より優れた相互運用性が実現される。これは、IBCプロトコルの実装により、IBC規格を実装するあらゆるdAppsが、追加の検証を必要とせずにバンドチェーンからデータを要求できるようになる。

バンド・プロトコルの事業開発責任者であるケビン・ルー氏によると、4月にグーグル・クラウドがバンド・プロトコルの技術を取り入れ、「金融時系列データの即時かつ正確な分析」を可能にしたという。