オーストラリア税務局(ATO)は26日、仮想通貨の納税義務に関し、国民の意見を求める通知を出した。同局はこれまでにも仮想通貨に関して助言を求めてきたが、仮想通貨の課税詳細への関心が高まってきていることから、再度、具体的な質問を出した。

「当局ウェブサイト更新に合わせて、仮想通貨ガイダンスに関してこれまで受け取ってきた意見を一部反映した。仮想通貨技術が、将来ビジネス運営に影響を与える可能性があり、仮想通貨と税務上の影響に関しての意見をぜひ聞かせてもらいたい」。

 オーストラリア税務局は今月1日、今年は仮想通貨トレーダーが、利益を適切に申告するように厳重に取り締まっていくことを発表した。14年に初めて発表されたオーストラリアの仮想通貨の所得税措置は、13日に更新された。

 投稿された通知には「相談:仮想通貨課税の具体化」というタイトルのページにリンクがはられている。このリンク先では、現在のビットコイン(BTC)と、ビットコインと同じ特徴を持つ仮想通貨への納税義務が詳しく記されている。

 オーストラリア税務局は、特に納税者の税金計算能力への影響と、相当量のキャピタルゲインとロスへのキャピタルゲイン税(CGT)に関する実務的な問題について意見を求めている。このサイトには、キャピタルゲイン税の記録管理と仮想通貨間取引についての質問フォームが用意されており、訪問者は内密にフィードバックを送ることができる。

 国民の意見を求めるこのページにはこれまで、ユーザーmarkusbからの1件のコメントが寄せられている。markusbは「膨大な量の異なる仮想通貨の間の、複雑な費用比率を導き出そうとすることは現実的に困難だ」とのべている。

 「実際の会計処理は悪夢のようだ。また、多くのトレーダーは、1取引あたりの差額が1ドル未満の非常に少額の取引を行っている。仮想通貨に関してはすべての要素を考慮に入れてほしい。株取引や他の取引とはまったく異なる」。

 オーストラリア税務局は3月半ば、税務局になりすまし「納税」と称して不正にビットコインを受け取ろうとした詐欺師に関する警告を掲示板に出した。オーストラリアは最近、仮想通貨導入に関するニュースの最前線にいる。例えば、オーストラリアでは今月初め、国内1200カ所以上のニューススタンドで、消費者はビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)が購入できるようになった。また、オーストラリア証券取引所は、昨年12月の報告の中で、世界で初めて株取引処理にブロックチェーンを導入する予定を明らかにしている。