ARK21シェアーズは、現物型イーサリアム上場投資信託(ETF)の申請を修正し、現在承認されているビットコインETFと同様の現金拠出モデルを採用した。またイーサリアム(ETH)の一部をステーキングし、追加収入を生み出す計画を立てている。

昨年12月、ARK21シェアーズとブラックロックは、米証券規制当局との折衝を経て、ビットコインETFを現金拠出・償還モデルに変更した。

ARK21シェアーズは当初、イーサリアムETFについては現物による償還モデルを提案していたが、これを現金拠出モデルに変更する。現金拠出モデルでは、ARK21シェアーズは注文額に相当するETHを購入し、その結果得られたETHをカストディアンの信託口座に預ける。その後、現物型イーサリアムETFの株式が作成される。

ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は2月7日に提出された最新のS-1修正申請書の変更点について、「承認された現物型ビットコインETFに沿ったものだ」と指摘する

ステーキング計画が浮上

ARK21シェアーズの最新のS-1申請書では、現物型イーサリアムETFにステーキング要素を追加することも提案されている。「スポンサーは、信託の資産の一部を信頼できるサードパーティのステーキングプロバイダーを通じてステーキングする場合がある」。

同社は、信託資産からETHをステーキングし、その結果として信託が受け取るステーキング報酬を収入として扱う考えだ。

ARK21シェアーズは、ステーキング活動がスラッシングによるETHの喪失リスクを伴い、またステークされたETHが場合によっては長期間ロックされることがあると認めている。

金融分野を専門とする弁護士スコット・ジョンソン氏は、ステーキングに関連する段落が括弧内に置かれていることに注目し、「これは通常、申請者がそれを追加したいと考え、規制当局との議論することに前向きであることを意味する」と指摘する。

ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、「SECが現物型イーサリアムETFの一部に関してステーキングを許可するとは思わないが、時が経てばわかるだろう」と語る

セイファート氏と同僚のエリック・バルチュナス氏は最近、2024年の現物型イーサリアムETF承認の可能性を70%から60%に引き下げている

SECは、ヴァンエックのイーサリアムETF申請については5月23日まで、ARK21シェアーズについては5月24日まで、ハッシュデックスについては5月30日まで、グレイスケールについては6月18日まで、インベスコについては7月5日までに決定しなければならない。フィデリティとブラックロックの申請については、8月3日と8月7日までに決定される。

しかし、セイファート氏は、米証券規制当局が1月10日にすべての現物型ビットコインETFについて決定した方法と同じように、すべてのイーサリアムETF申請者を5月23日までに決定するのではないかと予想している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン