ブロックチェーンデータ調査を手掛けるアーケイン・リサーチは、2021年最後のレポートで、2022年の仮想通貨市場の予測を行っている。

アーケインは28日にウィークリーレポートを公開した。レポートではビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のほか、アルトコンや分散型金融(DeFi)、ミームコイン、非代替性トークン(NFT)、仮想通貨デリバティブについて掘り下げている。

“ビットコインはS&P500を上回るパフォーマンス”

アーケインのレポートでは、2021年を通じてビットコインがS&P500のパフォーマンスを上回っていたと指摘する。今年S&P500は28%上昇したのに対して、ビットコインは73%の上昇を示した。アーケインは、2022年もこのパフォーマンスが継続すると考えている。S&P500は、米証券市場に上場している500の大手企業で構成されている。

"XRPとカルダノはトップ10から離脱"

アーケインは、バイナンスコイン(BNB)の高騰を指摘する。BNBは5月約1600%でピークを示したが、1344%で今年を締めくくろうとしている。さらにNFTブームによって、ソラナやテラなどの時価総額が急成長した。こういったコインの時価総額の変化によって、アーケインはリップル(XRP)とカルダノ(ADA)が時価総額トップ10から抜け落ちてしまうだろうと指摘する。

代替レイヤー1はETHを引き続き上回る

今年、イーサリアムは年初から445%の上昇をみせ、73%上昇だったビットコインを上回るパフォーマンスだった。しかし、ほかのレイヤー1ブロックチェーンはETHを上回っている。レイヤー1は、スタンドアローンのベースレイヤーのブロックチェーンのことだ。テラは14,823%の上昇となり、ファントムは13,549%の上昇となった。

ゲーム会社がNFTに本格参入

今年の仮想通貨業界はNFTがブームとなった。DappRadarによれば、SplinterlandsやAlien Worldsのようなブロックチェーンゲームでは52万6000のデイリーアクティブユーザーがいる。アーケインは2022年に伝統的なゲームブランドがNFTの世界に参入し、急成長する市場を活性化させるだろうと予測している。

仮想通貨企業の上場がさらに増加

今年4月にコインベースが上場した。コインベースの現在の時価総額は720億ドルになる。2022年に予定されている5つの仮想通貨企業はすべて現在10億ドル以上の企業価値がある。アーケインは、現在90億ドルと評価されている仮想通貨取引所Bullishのように、50億ドルを超える時価総額を持つ仮想通貨企業が出てくると考えている。

ビットコインETFは2022年末までに100万BTC以上を保有

2021年にはいくつかのビットコイン先物上場投資信託(ETF)が米国でデビューした。またカナダなどではビットコインETFが開始されている。それらは現在、合計で84万6,309BTC保有している。アーケインは、ETFが保有するBTCの量は2022年にも増加するだろうと予測している。

“ハッシュレートはさらに地理的に分散"

中国がビットコインのマイニングを禁止した際、ビットコインのハッシュレートは急落したが、その後ほぼ回復してみせた。現在、米国はハッシュレートで世界をリードしており、カザフスタンとロシアが続いている。アーケインは、マイナーがラテンアメリカなど他の地域へとさらに分散するだろうと考えている。