ビットコインの最近の価格急落は、2013年のビットコイン投資家やトレーダーたちが想定しているように、同じ類のものではない。
2013年11月、当時のビットコインの価格トレンドは、去年の年末にかけた数か月の値動きと非常によく似ていた。2013年12月25日、Bitstampを含む世界中のビットコイン取引所でビットコインの価格は988$まで高騰した。
しかし、中国政府が初めてビットコインの”禁止”を発表した際、ビットコインの価格は30日で36%程、625ドルまで下落している。
#PBOC での #bitcoin の現在の価格変動は、2013年11月のものとは異なるものです。オレンジの線=当時、青の線=現在です。 pic.twitter.com/IqtYZSiZE5
― Chris Burniske (@ARKblockchain) January 11, 2017
2013年と2017年との違い
2013年の価格急落と今年初めの短い期間での価格急落の大きな違いは、ARK Investのブロックチェーン担当リーダーChris Burniske氏が提供する価格チャートからわかるように、ビットコインが市場における勢いを問題なく維持していることにある。
2013年に、中国政府と中国人民銀行が国内のビットコイン取引と利用を停止させる目的でビットコインを禁止しようとして実際にそうしている。
明らかにその目論見は失敗したが、世界中のビットコイン取引市場の50%は未だ中国国内に集中している。
実際の今の市場に対する影響に関わらず、投資家やトレーダーたちは、ビットコインが中国政府によって規制されるのではないかという勘違いからビットコインのパニック売りに走り始めた。この点からいうと、ビットコイン・ユーザーの多くが政府の規制にしっかりと対抗するようデザインされているビットコインの仕組みには興味を持っていないことがわかる。
結果として、ビットコインは回復の兆しを見せず、その価格は200$まで落ち込んだ。
ビットコインは今こそ価値がある
現在、懐疑的な投資家やトレーダーたちは、ビットコインが1か月前と比べ、今こそ価値があるという事実を無視しているようだ。ビットコインはBitstampで800ドルをマークし、807ドル台に到達しようとしている。
今日のビットコイン価格の値動きは、中国政府がビットコインの規制や取引所を取り締まろうと動いていた2013年とは大きく違う。中国政府は、アンダーグラウンド市場や、OTC市場を規制することが難しくなっており、ビットコイン取引所に対してレギュレーションを行い、密に連携して動くことで政府にとって大きなアドバンテージが生まれることに気が付いている。
さらに重要な事は、政府のレギュレーションに対して関心を持ったビットコイン・ユーザーの人口が大きく増え始めているということだ。ユーザーの多くは既にビットコインが、グローバルな価値保存の形として、経済の不安定性や金融不安を避けるために利用できるセーフ・ヘイブンとして機能することに気が付いている。
この点から言うと、ビットコインを買う人は、ビットコインの価格下落が一時的なものだと理解しているからこそ買い増しているはずだ。市場が回復し、メディアが正しく中国のビットコイン市場を取り上げ始めれば、ビットコインの価格は短期間で上昇するだろう。