ビットコイン(BTC)は3月5日に新たな最高値6万9324ドルを記録した後、価格調整に直面した。一方で、ミームコインや人工知能(AI)関連の仮想通貨を中心に、アルトコインが過去1週間でBTCを上回るパフォーマンスを見せており、アルトコインシーズン到来を巡る議論が巻き起こっている。

仮想通貨の時価総額は2.5兆ドルに
ビットコインが6万9000ドルを超えた3月5日、世界の仮想通貨市場の時価総額は2.5兆ドルを超え、現在の強気な勢いを反映している。CoinMarketCapのデータによると、この数字は現在2.52兆ドルを記録している。

アルトコインも同様の強さを示しており、ビットコインを除くアルトコインの総時価総額は1.1兆ドルを超えている。

過去3ヵ月間、アルトコインの時価総額は6970億ドルから3月7日の1兆1400億ドルへと約64%の急騰を見せた。これは同期間のビットコインの56%%上昇のパフォーマンスをわずかに上回っている。
この上昇は、アルトコインへの投資家の関心の高まりと、このクラスの仮想通貨が最近示した驚異的なパフォーマンスを証明している。
一部アルトコイン、BTCを上回るパフォーマンス
過去1週間にミームコインやAI関連のトークンが示した顕著な上昇は、市場がアルトコインシーズンの始まりにある兆候かもしれない。
CoinMarketCapのデータによると、ミームコインは過去7日間で2桁から3桁のパフォーマンスを記録している。
特に、ドージコイン(DOGE)とシバイヌ(SHIB)は、それぞれ今週20%と130%の上昇を見せた。ペペ(PEPE)、ボンク(BONK)、ドッグウィフハット(WIF)などの新しいトークンも同期間に2桁から3桁の上昇を見せた。

AI関連のトークンも注目に値するパフォーマンスを示しており、Fetch.ai(FET)、シネシス・ワン(SNS)、シンギュラリティネット(AGIX)、シータネットワーク(THETA)などが7日間で2桁から3桁の上昇をみせた。ビットコインは同じ期間にわずか8.5%の上昇にとどまった。
まだアルトシーズンではない?
アルトコインのパフォーマンスは、アルトコインシーズン指数の改善と一致しているように見えるが、アルトコインシーズンが近いことを示唆している。Blockchain Centerのこの指数によると、「トップ50のコインの75%が過去のシーズン(90日間)でビットコインを上回った場合、それはアルトコインシーズンである」とされる。

しかし、この指数をみると、過去90日間でビットコインを上回った主要な50のアルトコインは69%に留まっている。この指数が最近上昇しているものの、アルトコインシーズンを宣言するにはまだ不十分だ。
K33リサーチの最近のマーケットレポートによると、この状況は近く変わるかもしれない。レポートでは、ビットコインとアルトコインの時価総額を比較し、K33リサーチのアナリストは、2020年のアルトコインの強気相場がビットコインの上昇トレンドに追いつく直前にあると指摘する。「歴史に照らしてみると、アルトコインは現在よりも優れたパフォーマンスを発揮し始めるだろう」と語った。

アナリストのCrediBULLは、アルトコインシーズンの始まりでのビットコインのパフォーマンスとの関連性について掘り下げている。3月4日のXでの投稿で、CrediBULLはビットコインが以前の最高値を超えて大きくブレイクアウトし、数週間で価格が倍増する可能性と、ビットコインが以前の最高値に到達するがそこから反落するか数週間高値での保ち合いとある場合の2つのシナリオを示している。後者の場合、アルトコインは「BTCが以前の最高値をタグ付けた直後にほぼ即座に上昇を開始する」と予想している。
CrediBULLは、「ここでの共通のテーマと重要なポイントは、BTCが以前の最高値にタッチした後、もしくははるかに上回った後、最初の大きな一時停止/保ち合いで、アルトコインが上昇を開始するということだ」とのべている。
一方、MNトレーディングコンサルタンシーの創設者兼CEOであるミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏は、アルトコインシーズンがまだ始まっていないとの見解を示し、BTCとETHを除いたアルトコインの時価総額は2021年の水準を大きく下回っていると指摘する。

一方で、カルダノ(ADA)の創設者チャールズ・ホスキンソン氏は、DOGEがADAの時価総額を上回るとアルトコインシーズンが始まると考えている。3月5日のXでの投稿でホスキンソン氏は、「DOGEがカルダノを上回る瞬間。その時が公式にアルトシーズンだ」とのべた
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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