世界の大規模ファミリーオフィスにとって、投資テーマの中心は人工知能(AI)となっており、仮想通貨への関心は限定的にとどまっている。米金融大手のJPモルガン・チェース傘下であるJPモルガン・プライベート・バンクが公表した最新レポートで明らかになった。
2026年版グローバル・ファミリーオフィス・レポートは、2025年5月から7月にかけて、30カ国のシングル・ファミリーオフィス333社を対象に実施された調査結果をまとめたものだ。それによると、回答者の65%(216社)が、現在または将来的にAI関連投資を重視している。一方、仮想通貨やデジタル資産を主要な投資テーマと位置付けたのは17%(56社)にとどまった。
仮想通貨は、ファミリーオフィスのポートフォリオでは依然として存在感が薄い。レポートによれば、現在89%のファミリーオフィスが仮想通貨への投資を行っていない。仮想通貨およびデジタル資産への世界平均配分は0.4%にとどまり、ビットコインへの配分は平均0.2%と、さらに小さい水準だった。
不確実性の高い局面で伝統的なヘッジとされる金についても関心は低く、回答者の72%が保有していないと答えた。レポートは、地政学的リスクへの懸念があるにもかかわらず、ファミリーオフィスは金や仮想通貨を回避する傾向にあると指摘し、伝統的および新興のヘッジ資産に対する需要は限定的だとしている。
ファミリーオフィス、配分拡大はプライベートエクイティが中心
回答者の約59%(197社)は米国拠点で、残りは欧州、中南米、アジア太平洋地域に分布している。
資産クラス別では、プライベートエクイティが最も支持を集め、今後12〜18カ月で配分を増やす計画があると答えたのは37%だった。初期段階のAIイノベーションへの主要な入り口とされる成長株投資やベンチャーキャピタルも関心を集めているが、依然として過半数のファミリーオフィスはこれらの分野への投資を行っていない。
ポートフォリオに影響を与える主なリスクとしては、地政学的リスクが20%で最上位となり、流動性と通商政策がそれぞれ12%で続いた。資産評価、経済成長、ポートフォリオ集中度も懸念材料として挙げられている。
アジアのファミリーオフィスは仮想通貨配分を拡大
一方、昨年のロイターの報道では、アジアの富裕層やファミリーオフィスが仮想通貨への投資を拡大していると伝えられた。シンガポール、香港、中国本土を中心に、顧客からの問い合わせ増加、取引量の拡大、仮想通貨関連ファンドへの新たな需要が関心を押し上げているとされる。
6月には、香港拠点で約40億ドルを運用するマルチ・ファミリーオフィスのVMSグループが、仮想通貨分野に初めて参入する計画を発表し、Re7キャピタルの戦略に最大1,000万ドルを投資する可能性を検討していると明らかにした。
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