5億ドル相当の仮想通貨先物ポジションが清算された。ポジションの大量清算は、ビットコイン価格が17日に34000ドルを下回る直前に起きたものだ。先物市場ではさらに下落の兆候が示す指標が出てきており、今後の下落に警戒だ。

なぜ大量のポジションが清算されたのか
18日未明から早朝にかけて、ビットコイン価格は35500ドルから6.7%上昇し、38000ドル近くまで上昇した。一方で先物の資金調達率(ファンディングレート)は急上昇した。これは先物市場でロング(買い)ポジションが急増したことを意味する。
大手取引所ではビットコインの無期限先物の資金調達率は0.07%まで急騰した。資金調達率は通常、0.01%が平均的な数値だ。これは38000ドルに向けて買いの比重が高まったことを示している。
その後、38000ドル付近で大きな売り注文が入り、下落が始まった。そして先物市場が過熱したことで、さらに調整が強まったようだ。
買い需要が低迷
しかし、今回の下落によって先物市場の建玉は減少しているわけではないため、さらに大きな下落の懸念もある。先物市場で価格をさらに下落させるロングスクイーズの可能性があるからだ。
仮想通貨トレーダーのSalsa Tekila氏は、ビットコインが3万ドルを下回れば、「弱気相場に入る」と指摘する。そのために短期的に「3万ドルをサポートとして維持することが重要」と述べた。
さらにクリプト・クオントのキ・ヨンジュCEOによると、先物市場の建玉は増加傾向にあり、買い需要を示す指標が停滞しているという。
デリバティブ市場が過密している一方で、買いシグナルが欠如していることから、キCEOは再び3万ドルをテストする可能性を指摘している。

既報のように建玉で最大の先物取引所であるバイナンスで、トレーダーは低レバレッジを使い始めている。これは市場のセンチメントが「恐怖」に傾いていることと、ビットコインの短期的な価格動向が不透明になっていることが要因だ。
一方で楽観的なトレーダーもおり、現在の調整は今後の価格上昇に必要なものだとの主張も繰り返されている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン