仮想通貨(暗号資産)ビットコイン価格は10月28日に13850ドルのピークに達した直後、13000ドルを割り込むまで急落した。11時間で7%も下落したにも関わらず、市場のセンチメントは3つの理由から強気のままだ。

一つ目はビットコインは24時間前の10月27日と同じレベルにあるということ。二つ目は13850ドルまで上昇したビットコインは13873ドルの複数年のレジスタンスにテストしたこと。三つ目は仮想通貨取引所へステーブルコインの流入が減少しているため、市場全体の下落は予想されていたことだ。

ビットコインの下落は昨日まで

この1ヶ月ほどでビットコインは10200ドルから13850ドルまで上昇した。またこの2日間ほどでビットコイン価格はコインベース上で、13783ドルから13850ドルへと8.5%上昇した。

現在、日足チャートでは、ビットコイン価格は重要な短期移動平均より上で推移している。ビットコインの最近のパターンでは、上昇トレンド後に調整期間を経て、長期的な上昇につながっている。

(出典:トレーディングビュー「ビットコインの日足チャートと資金調達率」)

デリバティブ市場をスポット市場が上回っていることは、上昇トレンドが強く健全であることを示している。Byzantine Generalとして知られる仮想通貨トレーダーは次のように述べている

「スポット価格が高く、スポット量が多いということは、(相対的に言えば)強気であると考えられる。これはデリバティブでギャンブルをしているのではなく、実際の買いに基づいていることを意味しているからだ」

13,873ドルは複数年のレジスタンスエリア

既報のように、多くのトレーダーが13,875ドルレベルを短期的に重要なレジスタンスエリアとして指摘したのは、2019年7月に13,900ドル付近でピークを迎えたからだ。

もしビットコインが反落なしで13,875ドルを超えて継続的に上昇していたら、大規模な過熱を示す原因となっていた。中期的には、上昇のために深い反落が起きており、一部のオンチェーンアナリストは これを「地獄のロウソク足」と呼んでいる。

 

BTCの下落はステーブルコインの流入不足と重なった

ビットコインの短期的な調整に先立ち、クリプトクオントのCEOであるキ・ヨンジュ氏は、取引所へのステーブルの流入が減少していると警告した。

テザー(USDT)といったステーブルコインは、仮想通貨市場の取引量の大部分を占めているため、ステーブルコインの流入は、買い手の需要を測る正確な指標となる。

(出典:CryptoQuant 「ステーブルコインの取引所への流入は急激に減少」)

コインマーケットキャップ によると、テザーの1日の取引量は主要な取引所で590億ドルを超えている。純粋に1日の取引量でいえば、Tetherは世界市場で最も取引されている仮想通貨だ。ビットコインの下落が発生する数時間前、キ氏は次のようにツイートした

「取引所にステーブルコインを預ける人が減っている。BTCの購買力は短期的(72時間)に弱まっている」

この1週間、買い手と売り手が激しく争っていたため、ステーブルコイン流入量の低下がビットコイン急落の引き金になったのかもしれない。一部のマイナーやクジラが売りに転じた一方で、新規流入が継続的に売り圧力を相殺していた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン