イーサリアム(ETH)の現物型上場投資信託(ETF)が承認された後、ETHの価格は3,972ドルまで上昇したが、その後の1週間で10%下落し、ビットコインや仮想通貨市場全体と比較してパフォーマンスが低迷している。トレーダーはアルトコインの下落トレンドが終了したかどうか疑問視している。
比較すると、ビットコイン(BTC)の価格は同期間中に6%下落し、仮想通貨市場全体の時価総額は5.3%減少した。市場およびテクニカル的指標のいくつかは、ETHが回復を試みる前にさらに深い調整を経験する可能性があることを示している。
ETH/BTCは過去1週間で下落
イーサリアムは過去7日間で10%下落し、ビットコインや他の主要なレイヤー1トークンよりもパフォーマンスが低迷している。BTC価格は過去1週間で5.5%下落し、ETH/BTC比率は6月3日の0.055から6月11日の0.0513まで5.21%下落し、5月20日以来の最低値を記録した。
現在のイーサリアムの低迷にはいくつかの理由がある。1つは米国のビットコインETFの成功だ。米国の現物ビットコインETFは大成功を収め、先週だけで約20億ドルの資本流入があり、これがビットコインのパフォーマンスを高めている。。また、消費者物価指数(CPI)の発表と連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることも、イーサリアムを含む全ての仮想通貨価格に影響を与えている。
さらに、過去90日間でイーサリアムのネットワーク活動が減少している。グラスノードのデータによれば、イーサリアムネットワークの1日のアクティブアドレス数は3月20日の62万2963アドレスから6月10日の45万8400アドレスに減少している。過去48時間で1.2%の減少が見られた。
イーサリアムはレイヤー1セクターで依然として競争力を持つネットワークであるが、ソラナは最近オンチェーン活動において市場シェアを奪っている。DappRadarのデータによれば、イーサリアムのNFT取引量は過去7日間で9%減少し、1億500万ドルに達している。
またイーサリアムネットワークがソラナとBNBチェーンに対してユニーク・アクティブ・ウォレット（UAW）の総数で遅れを取っている。イーサリアムは52万4000UAW以上がプロトコルとやり取りしており、過去7日間で4.5%減少している。これは同期間中に74%増加したソラナの270万UAWよりもはるかに低い。
オンチェーン活動の減少は、エコシステム内でのETHの需要の減少を示しており、価格に悪影響を与えていると考えられる。
ETHは強い抵抗に直面
ETHの最新の下落を受け、3,500ドルの需要ゾーン周辺の重要なサポートレベルが失われ、そこが抵抗に転じた。過去の価格動向は、このエリアがETHの強気派にとって強固な抵抗となっていることを示している。4月11日にこのレベルを下回った後、ETHは5月2日に2,814ドルまで25%下落した。
IntoTheBlockのデータは、この抵抗ゾーンの重要性を強調している。イン/アウト・オブ・ザ・マネー・アラウンド・プライス(IOMAP)モデルは、このエリアが3,476ドルから3,577ドルの価格帯にあり、約260万アドレスが以前に約108万ETHを購入したことを示している。
この抵抗レベルで短期的に売り手から活動が活発化した場合、ETHの価格はさらなら下落に見舞われる恐れがある。
下落トレンドが続くか？
5月27日に6週間ぶりの高値3,973ドルに達した後、ETHの価格は弱気派が利益を確定し、仮想通貨市場全体が調整したため下落した。価格は現在3,511ドルまで12%下落している。
回復にもかかわらず、日足チャートには長い弱気のローソク足が見られ、下落トレンドの強さを示唆している。
イーサリアムの強気派は、3,400ドルの心理的レベルでのサポートを期待している。このレベルを下回る日足ローソク足の終値は、強気派がこのレベルを守ることができないことを示し、2,840ドへの下落につながるだろう。これは現在の価格から18%の下落を意味する。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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