ビットコイン(BTC)価格が3月11日に新たな最高値7万2800ドルを記録し、仮想通貨市場に強気の動きが見られた。
トレーディングビューのデータによると、BTCは6万9032ドルから始まり、月曜日の3月11日には5.7%上昇し、年初来高値の7万2850ドルを記録した。

このビットコインの目覚ましいパフォーマンスにより、高値圏での利益確定による売り圧力が懸念されている。短期的なBTC価格の調整を示唆する3つのテクニカル指標と市場指標をみていく。
TDシーケンシャル・インジケーター
アナリストのアリ氏は、BTC価格が7万1700ドルを超えて取引されていることを指摘し、短期トレーダーに対して反落の可能性を警告した。
アリ氏は以下のチャートを投稿し、TDシーケンシャル・インジケーターがBTCの12時間チャートで売りシグナルを点滅させていると示した。「2月初旬以降、この指標が売りを示唆するたびに、BTC価格は1.6%から3.5%下落した。この傾向は短期トレーダーは注意深く監視するべきだ」。
BTC価格が現在の水準から3.5%下落するとなれば、7万ドル前後で取引される可能性がある。

TDシーケンシャル・インディケータは、日中の高値と安値の変化に基づいて短期的なトレンドの反転を判断するために使用される指標だ。
ビットコイン価格の過熱シグナル
現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の「ニュース売り」効果が薄れた後、ビットコイン価格は1月23日以降、「上昇のみ」のトレンドを維持している。これらの新しいビットコインETFは1月11日のデビュー以来、巨額の資本流入を見ており、運用資産額は3月11日に553億ドルに達した。
これにより、ビットコイン市場に「過熱シグナル」が現れた。クリプトクアントのアナリストは、BTCが新たな最高値を探索しているにもかかわらず、近いうちに大きな調整を経験する可能性があると警告している。3月8日、ブロックチェーン分析会社はXソーシャルネットワークに一連の投稿をし、「潜在的な過熱」状況とするいくつかの指標を示した。

同社は、実現利益が2023年12月以来の最高レベルに達したことを示す別の指標に言及し、「マイナーは支払われ過ぎとみなされ、利益率は2023年12月以来の最高レベルに達している」と指摘している。
クリプトクアントはまた、トレーダーの未実現利益率が57%に達し、これは歴史的にはトレーダーが長期的に利益を確定する可能性があることを示唆しているため、調整が迫っている可能性があると強調した。

「さらに、短期保有者は2021年2月以来の最高利益率で売り始めており、売り圧力の増加を予兆している可能性がある」とクリプトクアントは付け加えた。
一方、IntoTheBlockのデータによると、ビットコイン保有者の100%が現在利益を上げており、短期的に利益確定による売り圧力が高まる可能性を示している。

ビットコインのRSIは買われ過ぎに
コイングラスのヒートマップは、BTCのRSIが5つの時間枠のうち4つで買われ過ぎの状態を示している。時間枠が長いほどRSI値が高くなる。ビットコインのRSIは現在、週間で88.34、日次で79.34、4時間で74.81、1時間で70.74である。

これはトレーディングビューのデータによって裏付けられており、それによるとBTCのRSIは週間で89.2、日次で79、12時間で72、4時間で70である。
買われ過ぎの状態は一般に、資産価格の最近の動きを表し、近い将来価格が調整される可能性があることを反映している。
オルタナティブのデータによると、仮想通貨市場のセンチメントを示す恐怖・貪欲指数は82であり、「極度の貪欲」の状態である。

オルタナティブは「投資家があまりにも貪欲になると、市場は調整を迎えることになる。この指数が80を超えた最後の時は、2021年の強気市場のピーク時であり、その直後にBTCは当時の最高値約6万9000ドルから下落し、2022年の弱気市場中に1万5000ドルへと急落した」と書いている。
これらの指標が市場参加者にリスク管理を促しているものの、RSIの状態がトレンドの逆転を保証するものではないことに注意することが重要だ。仮想通貨価格は非常に変動が激しく、BTCは需要の増加と今後の半減期によって上昇を続ける可能性がある。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。