仮想通貨投資運営会社グレイスケールによると、ビットコイン(BTC)オーディナル(一部ではビットコインNFTとも呼ばれる)はビットコインに対する開発者の熱意を再燃させマイニング報酬も向上させる可能性があるという。
4月27日のブログ記事で、同社はビットコインオーディナルがビットコインエコシステムの成長と発展に対して2つの主要な利点を提供するとのべている。
「オーディナルはビットコインブロックチェーン上にNFTのような資産を導入することで大きな注目を集めている」と公式ツイッターでも語っている。
#Ordinals have generated a great deal of attention in the crypto ecosystem by introducing #NFT-like assets on the #Bitcoin blockchain. @mzhao8 and our research team explore their potential in our latest Market Byte:
— Grayscale (@Grayscale) April 28, 2023
https://t.co/7muc9Lyrok
オーディナルがもたらす最初の利点は、ビットコインマイナーへの報酬の大幅な増加だ。グレイスケールによると、1月にオーディナルが立ち上がって以来、そのような現象が観察されている。
「オーディナルの登場によりマイナーに支払われる手数料の総額が増加し、マイナーを誘引する持続可能な取引手数料の基準レベルを確立する可能性がある」(グレイスケール社公式ブログ)。
コインテレグラフで既報の通り、オーディナルのローンチから2か月未満でビットコインマイナーに60万ドル以上が支払われている。これはオーディナルをビットコインネットワークに記載することによって生成された手数料だけである。当記事執筆時点では、その額は650万ドルを超えるので、大きく成長していることがわかる。

グレイスケールによると、オーディナルが新しいビットコインユーザーを引きつけビットコインネットワークの開発がさらに活発化する可能性がある。「ビットコインネットワークを支援する開発志向のコミュニティを後押しする。」
4月30日には、オーディナルの1日あたりのビットコインブロックチェーン記載数が新記録を樹立し30万件を超えた。また同時期にビットコインの取引数が過去数年間で最も多いレベルに近づいている(ブロックチェーンデータ企業IntoTheBlock調べ)。
一方オーディナルを批判する声もある。生粋のビットコイン主義者からは、ビットコインの本来の目的であるピアツーピアの電子通貨から逸脱し、貴重なブロックスペースを詰まらせると批判されている。
そうした批判者の一人がブロックストリームCEOのアダム・バック氏だ。ビットコイン開発初期からかかわっている筋金入りの「サイファーパンク」だ。
彼はオーディナルを「無意味」と断じ「ビットコインを通貨として利用する方が良い」と主張している。
「もちろん彼ら(オーディナル愛好家たち)を止めることはできない。ビットコインは検閲に抵抗するように設計されているのだから。しかし、無駄で愚かなエンコーディングに対しては少なくとも効率的にやってくれと。そうでなければブロックスペースの無駄遣いを証明するものとなる」とバック氏は苦言を呈している。
"you can't stop them" well ofc! bitcoin is designed to be censor resistant. doesn't stop us mildly commenting on the sheer waste and stupidity of an encoding. at least do something efficient. otherwise it's another proof of consumption of block-space thingy.
— Adam Back (@adam3us) January 29, 2023